国連児童基金(ユニセフ)が13日発表した調査で、スイスは「欧州・家族に優しい国」ランキングの最下位となった。
このコンテンツが公開されたのは、
欧州31カ国の法規制がどれだけ家族生活に配慮しているかを調べた。家族に優しい国外部リンクのトップはスウェーデンで、ノルウェー、アイスランド、ドイツが続いた。最下位のスイスの前には英国やキプロス、ギリシャが並んだ。
スイスの評価が低かった理由として、母親の法定育児休業が14週間と短いこと、父親の育休が法制化されていないことが挙げられた。自主的に法定より長い育休を母親に与えたり、父親向けに独自の育休制度を作ったりしている企業もあるが、少数派だ。
議会での議論
スイス連邦議会は現在、父親の育休付与の是非を議論している。4週間の法定育休の導入を求めるイニシアチブ(国民発議)が提起されたためだ。議会には2週間の休暇を与える対案が提出されている。上院(全州議会)が閉会中の夏国会で審議する見通し。
連邦内閣は個別の労働協定や各企業で対応すべきとして、イニシアチブにも議会の対案にも反対の姿勢を示した。政府にとっては保育施設の整備や、子供の重病に対応するための看護休暇を制定する方が急務だという。
ユニセフの調査では、スイスで保育園や幼稚園に通う3歳児未満の割合は約30%と、調査対象国の真ん中に位置する。3歳以上の未就学児の66%は保育園に通っており、31カ国中2番目に高い比率だ。
ユニセフの提案
調査は2016年時点の父親・母親の育休制度や3歳未満児及び未就学児の保育施設の整備状況に焦点を当てた。
ユニセフは調査で、全ての国は6カ月以上の育休を設け、高すぎない乳幼児向け保育施設を十分に整備するべきだと指摘した。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスの父親、育児休業たった「1日」 それでも日本より恵まれている理由
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは、父親の育児休業を保障する法律がない。慣例的に取れることは取れるが、それでもたった1日だ。
もっと読む スイスの父親、育児休業たった「1日」 それでも日本より恵まれている理由
sda/tm
おすすめの記事
チューリヒ動物園、49歳のアジアゾウを安楽死
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ動物園は12日、49歳の雌ゾウ、セイラ・ヒマリを安楽死させたと発表した。長年、健康上の問題に苦しんでいた。
もっと読む チューリヒ動物園、49歳のアジアゾウを安楽死
おすすめの記事
スイス鉄道、国外へ乗り入れせず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)取締役会長のモニカ・リバー会長は、自社列車で国外に乗り入れないとする同社の決定を擁護した。
もっと読む スイス鉄道、国外へ乗り入れせず
おすすめの記事
命を救う後部座席のシートベルト スイスで義務化30年
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは、30年前から車の後部座席のシートベルト着用が義務付けられている。スイス事故防止協議会(BFU)と連邦統計局の最新データによって、この安全対策の有効性が裏付けられた。
もっと読む 命を救う後部座席のシートベルト スイスで義務化30年
おすすめの記事
アムヘルト大統領、岸田首相と会談 FTA改定を改めて要望
このコンテンツが公開されたのは、
訪日中のヴィオラ・アムヘルト大統領兼国防相は7日、官邸で岸田文雄首相と会談し、日本・スイス間の自由貿易協定(FTA)改定というスイスの要望を改めて表明した。
もっと読む アムヘルト大統領、岸田首相と会談 FTA改定を改めて要望
おすすめの記事
UNRWA、「イスラエル襲撃に関与した可能性」の9人を解雇
このコンテンツが公開されたのは、
国連は5日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員9人が昨年10月7日のイスラム過激派ハマスによるイスラエル襲撃に「関与していた可能性がある」との内部調査を発表した。
もっと読む UNRWA、「イスラエル襲撃に関与した可能性」の9人を解雇
おすすめの記事
スイスで小児科医が不足
このコンテンツが公開されたのは、
スイス小児科医協会は医師が足りず、特に地方部で子どもが十分な治療を受けられなくなる可能性があると警告する。背景には柔軟な働き方を求める世代の増加や役所・企業の「官僚主義化」があると批判する。
もっと読む スイスで小児科医が不足
おすすめの記事
コロナ再流行のスイス、ワクチン不足に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは現在、新型コロナウイルス感染症が再び流行している。それ自体はさほど深刻ではないものの、ワクチンを受けたくても薬局や診療所に在庫がない事態が発生。背景には7月初めの制度変更がある。
もっと読む コロナ再流行のスイス、ワクチン不足に
おすすめの記事
スイスで人身取引被害が増加
このコンテンツが公開されたのは、
「人身取引と闘うプラットフォーム(Plateforme Traite)」は2023年、スイスで197件の人身取引(人身売買)事案を記録した。前年比で11%増加した。
もっと読む スイスで人身取引被害が増加
おすすめの記事
スイス最高裁、中期中絶に父親の発言権認めず 「被害者ではない」
このコンテンツが公開されたのは、
妊娠中期に中絶した女性を元恋人の男性が告訴した事件で、スイスの連邦裁判所(最高裁)は25日、男性は「被害者」に当たらないとして訴えを却下した。
もっと読む スイス最高裁、中期中絶に父親の発言権認めず 「被害者ではない」
おすすめの記事
「建国記念日に花火欠かせない」半数 スイス世論調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス人の半数が、打ち上げ花火は8月1日の建国記念日に欠かせないと考えていることが最新の調査で分かった。しかし、回答者の大多数は個人での花火打ち上げに反対している。
もっと読む 「建国記念日に花火欠かせない」半数 スイス世論調査
続きを読む
おすすめの記事
スイスで働く女性の7人に1人 出産後に失業
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで働く女性の7人に1人が、出産を理由に失業していたことが、出産と失業の関連を調べた初の調査で分かった。
もっと読む スイスで働く女性の7人に1人 出産後に失業
おすすめの記事
スイスのパートタイム勤務、働く母親には「もろ刃の剣」
このコンテンツが公開されたのは、
正社員でもパートタイム勤務が一般的なスイスでは、働く母親の多くがパートタイムで働く。この働き方にはメリットも大きいが、問題点もある。女性がキャリアを積めなければ国も発展できないと、働く女性への偏見を取り払うよう求める声が強まっている。
もっと読む スイスのパートタイム勤務、働く母親には「もろ刃の剣」
おすすめの記事
スイスの男性は育児休業0日 改善には長い道のり
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは、父親の育児休業が法律で保障されていない。今夏初め、父親が20日間の育児休業を取得できるよう求めるイニシアチブ(国民発議)が出されたが、先進国の育児休業日数と比べると、それでも少ない。
もっと読む スイスの男性は育児休業0日 改善には長い道のり
おすすめの記事
「入園は2年待ち」地方で子育てする苦悩
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中央部にある小さな山間の町インターラーケン。この町の日本食レストランで働く高見アストラヴァン栄都子さん(43)は、近隣の村でインドネシア人の夫と子供2人と暮らす。一人目を出産する前、地元の保育園から返ってきたのは「2年待ち」の返事。保育環境が都市部ほど充実していない地方の現状に戸惑ったという。
もっと読む 「入園は2年待ち」地方で子育てする苦悩
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。