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スイスでは今月から、AT車の運転免許を持つ人はMT車も運転できることになった。このような限定解除は危険だと反対の声が上がっている。
これまで、MT車の免許を持つ人はAT車を運転できたが、AT車の免許保有者はMT車を運転することができなかった。
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今後は二つの運転免許の試験に違いはなくなる。AT車の免許保有者でもMT車を運転できるのだ。例えクラッチを踏んだことがないとしても、だ。
であれば、運転免許を取りたいと思う人は、AT車で取ろうとするだろう。AT車の方が操作が簡単で少ない講習時間で試験を受けられる。つまり免許取得費を節約できる。
だが昨年12月に連邦政府が規制緩和を打ち出した外部リンクことで、安全に関する議論の火ぶたが切って落とされた。
ところが議論は早くも収束しつつある。米国では1950年代からAT車が主流となり、MT車は新車販売台数の5%を占めるに過ぎない。
アウディは昨年、今年から米国・カナダでMT車の販売を取りやめると発表。米国のMT車市場は風前の灯だ。中国や日本などの自動車大国でもMT車は希少な存在となっている。
欧州では長年MT車が好まれてきたが、やはり状況は変わりつつある。AT車を毛嫌いしていたフランスさえも、新車登録のうちAT車の占める割合は1995年はわずか3%だったが、昨年は29%にまで広がった。
スイスも同様だ。新車のAT車比率は1990年には19%だったが、2000年には26%、現在は45%近くにまで伸びている。
AT車はMT車に比べて重く、信頼性に欠け、より高価で燃費効率が悪いと考えられていた。AT車がMT車よりわずかに高いのは今でも当てはまるが、その他の短所は自動車メーカーの努力によって克服されている。
AT車の成長に貢献したもう一つの要素は、渋滞した道路では絶えずギアを切り替えたりクラッチを踏み続けていたりしなくて済む方が圧倒的に快適なことだ。また近年急拡大している電気自動車はAT車しか製造されないことも一因だ。
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(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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