スイスの視点を10言語で

男児刺殺の75歳女を殺人罪で起訴

事件現場
事件現場に置かれた花 (KEYSTONE/Georgios Kefalas)

スイス北部バーゼルの路上で今年3月、下校途中の小学生男児(7)がナイフで刺され死亡した事件で、バーゼル市検察庁は75歳の女を殺人罪で起訴した。

この事件は国内で大きく報じられた。男児は3月21日、昼休みに小学校から1人で歩いて帰宅途中だったところを突然刺された。スイスの公立小学校は給食がなく、子供たちは自宅に帰る。

自転車で通りかかった担任の教諭が見つけ、通報した。男児はバーゼル大学小児病院に運ばれ、緊急手術を受けたが、間もなく死亡した。

女はスイス国籍でバーゼル在住。現場を立ち去った後、複数の知人に自分のしたことを知らせるテキストメッセージを送り、警察に出頭した。動機は不明という。

バーゼル市検察庁は13日出した声明で、女を殺人罪で起訴したと発表。女はこれまで事件以来拘留されていたと述べた。

同庁のペーター・ギル氏はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)に「殺意を持って人を殺す行為は、一般的な殺人行為の中でも最も重い。我々の見解は正当化される」と述べた。

声明によると、検察庁は(刑事訴訟の)事前手続きを終了し、事件を裁判所に送致した。精神鑑定の結果では女に責任能力が認められなかったが、検察庁は裁判所に対し、刑法64条に基づく拘留請求を出した。これについては裁判所が判断するが、女はそれまで引き続き拘留される。

おすすめの記事
バーゼル大学小児病院

おすすめの記事

バーゼルの路上で7歳児刺され死亡、75歳女を逮捕

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・バーゼルの路上で21日昼、一人で下校途中だったコソボ・アルバニア系とみられる7歳の男児が刃物で刺され死亡した。75歳の女が「自分がやった」と出頭。警察が逮捕し、動機を調べている。

もっと読む バーゼルの路上で7歳児刺され死亡、75歳女を逮捕

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

クレディ・スイスのロゴ

おすすめの記事

クレディ・スイス危機への対応「時間がかかりすぎた」 議会調査委が報告書

このコンテンツが公開されたのは、 クレディ・スイスが経営危機に陥った責任を追究するスイス連邦議会の調査委員会は20日発表した報告書で、原因は長年にわたる経営上の不始末にあったと結論付けた。

もっと読む クレディ・スイス危機への対応「時間がかかりすぎた」 議会調査委が報告書
笑顔で握手を交わす閣僚

おすすめの記事

2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。

もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
健康保険カード

おすすめの記事

医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査

このコンテンツが公開されたのは、 大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。

もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
連邦工科大学の校舎

おすすめの記事

スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。

もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
ベツナウ原発

おすすめの記事

世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。

もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
アルコール検査

おすすめの記事

スイスのドライバー、2割が飲酒運転

このコンテンツが公開されたのは、 欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。

もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
銃口

おすすめの記事

狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部

このコンテンツが公開されたのは、 先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。

もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
サルコ

おすすめの記事

自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束

このコンテンツが公開されたのは、 今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。

もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
金塊

おすすめの記事

スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。

もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部