お財布に優しいレクリエーションや娯楽がいいなら、チューリヒやジュネーブは避けるべき―。英調査機関の「世界で最も生活費が高い都市ランキング2019外部リンク」でチューリヒとジュネーブがトップ5入りし、レクリエーション・娯楽部門でうれしくない世界一を獲得した。
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ランキングはエコノミストインテリジェンスユニット(EIU)が毎年発表している。総合ランキングはシンガポール、パリ、香港が1位だった。チューリヒが4位で、大阪市とジュネーブが5位。
調査を担当したロクサナ・スラブシェナ氏はスイスインフォに対し「ここ数年、欧州の都市が複数のカテゴリーで最も高いコストを記録している。例えば家庭用品、(化粧品などの)パーソナルケア用品、レクリエーション、娯楽だ。チューリヒとジュネーブはこれらのカテゴリーで全133都市を上回った」と話す。
同氏はまた、両都市がレクリエーション・娯楽で1位を獲得した理由を「これらの都市、あるいは市民が任意の支出(非生活必需品への支出)にお金を多く充てるからではないか。スイス国内の都市はチューリヒとジュネーブだけが調査対象だが、ほかの都市も同じだとみている」と分析する。
レクリエーションと娯楽は「テレビ、PC、新聞や雑誌の購読、映画・劇場のチケット、レストランでの外食」などにかかるコストを指す。
別団体のランキングではスイス国内のコーヒーとビッグマックの価格の高さが注目されるが、EIUの調査ではそれ以外の「不名誉」な数字を紹介する。
総合ランキングでは、チューリヒは前年より順位を二つ下げ、ジュネーブはワンランクアップした。スラブシェナ氏は「生活費が実際下がったというより、(ランキングの)指標内の要素が原因で順位を落とすことはある」と説明する。
コストの収れん
スラブシェナ氏は、パリ、シンガポール、チューリヒ、ジュネーブ、コペンハーゲン、香港といった生活費がもともと高い都市で「コストの収れん」がみられたと指摘する。
同氏は「グローバリゼーションと、趣味や買い物パターンが類似してきていることの証だ。食料品価格が比較的安価な都市でも、公共料金や交通費が全体の生活費を押し上げている」と説明する。
さらに「より特徴的だったのが、イスタンブール、タシケント、モスクワ、サンクトペテルブルクなどの新興経済都市が大幅に順位を下げたこと。高インフレと通貨安が続いたのが原因」と話す。
最も生活費が安い都市は、カラカス(ベネズエラ)とダマスカス(シリア)で、それぞれニューヨークより85%と75%安かった。
世界の生活費
エコノミストインテリジェンスユニット(EIU)の「世界で最も生活費が高い都市ランキング外部リンク」は年2回、93カ国133都市の160の製品・サービスを対象に400件以上の個別価格を調べ、ランキングにまとめ発表している。対象となるのは食料品、飲料、衣類、生活用品、パーソナルケア用品、家賃、交通費、公共料金、私立学校にかかる費用、家事代行、娯楽など。
調査はスーパーマーケット、中価格帯の店舗、高価格の専門店など多岐にわたる。価格はメーカー希望小売価格、製造コストではなく、実際に購買者が支払った価格。
調査は都市間の比較が可能だが、ニューヨークが指数100ですべての基準になっている。調査は30年以上行われている。
(出典:EIU)
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(英語からの翻訳・宇田薫)
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