スイスで家計のキャッシュフローに問題を抱える世帯は少なくない
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連邦統計局外部リンクは16日、スイス国民の賃金と生活状況に関する調査結果外部リンクを発表し、2016年は人口の21.5%が2500フラン(約28万円)の請求書を1カ月以内に支払えない経済状態だったことがわかった。
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特に一人親、失業者、欧州以外からの外国人世帯でその傾向が強い。スイスの健康保険は年間最高2500フランまでが自己負担額のため、医療費などで想定外の出費がかかることがある。
また人口の8.9%が1週間程度の短期旅行をする経済的な余裕がなかった。スイスの隣国はそれよりも低く、イタリアは45%、フランスは23%、ドイツは18%、オーストリアは15%が自宅で休暇を過ごしている。
スイス人口の6.9%が貧困予備軍。フランスとオーストリアは8%、ドイツは10.5%、スペインは約15%。
(英語からの翻訳・シュミット一恵)
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スイスの億万長者上位300人、巨万の富を得るまで
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スイスの政治誌ビランツによると、スイスに住む億万長者上位300人のうち、3人に1人は10億フラン(約1千94億円)以上の純資産を有している。その中には世界的に有名な企業の創業者一族の出身者もいる。約半分は国外からの移住者で、とりわけドイツ出身者が多い。1980年代以降は、金融業界で財を成した人々が増えている。以下では、様々な分野で巨万の富を得た億万長者を紹介する。 製薬
アンドレ・ホフマン(58歳) ― 莫大な遺産相続と慈善活動
スイス出身。製薬会社大手ロシュを創業したホフマン家の遺産相続者の一人。1996年から同社の執行役員。遺産相続者のホフマンとオエリ一族が所有する株式などの総資産は200億フランを超える。
2004年、ホフマン家共同投資資金の広報担当に就任。父ルーカス氏と同様、環境活動に尽力する。最近では、スイスが50年までに資源消費量を3分の2削減することを目指す、「グリーン経済」イニシアチブ(国民発議)を支持して注目を浴びた。金融ビジネスと化学
クリストフ・ブロッハー(76歳) ― 実行者から人民の指導者へ
スイス・シャフハウゼン出身。右派の国民党の代表的存在。2003年、連邦内閣閣僚に選出されたが4年後に落選。ビランツ誌によれば、ブロッハー家の資産は70~80億フランとされる。
ブロッハー家は過去10年で急速に資産を増やした。ブロッハー氏はとりわけ金融ビジネスで財を成したとメディアは報じている。1983年、化学大手エムス・ケミーの従業員だった際に、創業者一族から会社を格安で買収。ドイツ語圏の日刊紙NZZは87年、ブロッハー氏が買収した後のエムス・ケミーは工場というより「投資ファンドのようだ」と報じた。
しかし、エムスグループが実際にブロッハー家の資産にどれだけ寄与したかは不明。現在は娘のマルトゥロ・ブロッハー氏に引き継がれた同グループは、高性能ポリマーと特殊化学薬品を世界中で販売している。プラスチック
ヨブスト・ワグナー (58歳) ― 1万7千人の従業員を抱える政治活動家
ドイツ・バイエルン州レーアウ生まれ。欧州連合(EU)との二国間関係を守ることを目的とした団体「スイスの利点」を設立し、保守派のブロッハー氏と対立。このためメディアから「意に反したアンチ・ブロッハー」と呼ばれた。
同氏は両親からプラスチック関連会社レーアウを引き継ぎ、8億フラン超の資産保有者となった。自動車産業の下請け企業である同社は自動車産業の下請けとして約50カ国に支社があり、約1万7千人の従業員を抱える。資源取引
イヴァン・グラゼンバーグ ― 資源取引を追求
南アフリカ出身。商品取引会社大手グレンコアの最高経営責任者(CEO)で大株主。商品取引で名をはせたマーク・リッチ氏の会社(のちのグレンコア)に入り、南アフリカで商品取引を学ぶ。同社の要職人員は2011年までに500人を数える。株式市場上場により経営者らは莫大な利益を得た。最多の資産保有者はグラゼンバーグ氏で当時93億ドル(約1兆円)保有していたとされる。
スイスのツークを拠点とする鉱山採掘会社エクストラータと合併後、スイスは同社の要衝となる。税金のほか環境被害や人権侵害などをめぐる問題で批判されることも多い。巨匠ピカソの孫
マリーナ・ピカソ ― 祖父の作品を売って大富豪に
画家ピカソの孫娘。祖父の絵を複数売却し、上位300人に仲間入りした。売却した作品には、祖母でピカソの一人目の妻オルガ・コクローヴァさんの肖像画「Portrait de femme」(1923年)も含まれる。この肖像画は約6千万フランの値が付いた。
作品を手放すことにためらいはなかったという。唯一の相続人のマリーナ氏のもとにはまだ絵画約400点と素描画7千点が残る。祖父の良い思い出はないと言い、2001年に出版した伝記ではピカソを「エゴで塗り固められた怪物」「周りの人を愛せない」と酷評。「この天才による重圧」の下で長い間苦しんできたと明かしている。不動産王
ロバート・ホイベルガー (94歳)― 貧しい幼少時代から富豪へ
チューリヒ近郊の産業都市ヴィンタートゥール出身。スイスの不動産王の一人で、上位300人の中では最高齢とみられる。住居約2千件のほかホテル、ショッピングセンター、オフィス複合施設などの不動産を所有。ビランツ誌によれば、同氏の資産は4億5千~5億フラン。F1ドライバー
セバスチャン・ベッテル (29歳)― 猛スピードで富豪に
ドイツ出身。上位300人の中ではおそらく一番の若手。資産額は1億5千~2億フラン。4度の世界チャンピオンに輝き、2016年の年収3千万フランプラスボーナスで、F1レーサーでは最高額獲得選手の一人となった。現在は不動産事業に数百万フランを投資している。スポーツデータ分析
カールステン・コエル (51歳)― テクノロジーと斬新なアイデア
ドイツ出身のエンジニア。トップスポーツ業界の製図家と言える存在だ。スイスの富豪リストに最近仲間入りした一人。米国のITバブルが崩壊する前、共同創設したブックメーカー会社Betandwinの所有株式を売却し、1億5千~2億フランに上る莫大な資産を得る。現在は、国際スポーツビジネス事業に身を置き、スポーツのデータ分析をメディアやブックメーカーに提供する会社スポーツラダーを経営。
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