スイスの学校や職業訓練校における差別の報告件数が増えている
Keystone
スイスで2017年前半に報告された人種や肌の色、宗教による差別の件数は前年に比べ増加。意識の高まりや相談所に行きやすくなったことが背景にある。
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの人権団体「ヒューマンライツ.ch外部リンク」と連邦内務省人種差別対策委員会外部リンクの報告外部リンクによると、国内にある27の人種差別被害相談所に報告された件数は、17年は301件にのぼった。16年の199件から大きく増えた。
報告は、統計結果は必ずしもスイスで人種差別が増えていることを意味しないとする。差別への意識が高まり、差別の存在が発見されやすくなったり、相談所への敷居が低くなったりしたことが背景にあるという。一方、相談所が全ての相談案件を記録していないことや、多くのケースでは被害者自身が報告していないことに注意する必要がある。
差別理由としては、「一般的な外国人排他」が最も多い112件だった(前年は94件)。次いで「人種差別」が95件(同70件)、「反イスラム」が54件(同31件)、「反アラブ」が36件(同17件)だった。
行動別(複数回答)では、「不平等な取り扱い」が107件と最も多く、「中傷」(93件)や「誹謗」(62件)が続いた。「暴力」を伴う差別は25件と、全体の8%だった。
swissinfo.ch/ac
おすすめの記事
トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」
このコンテンツが公開されたのは、
ドナルド・トランプ前大統領が13日に銃撃された事件を受け、スイスのヴィオラ・アムヘルト大統領は「政治的な暴力は容認できない」と訴え、一日も早い回復を祈った。
もっと読む トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」
おすすめの記事
ツェルマット行き鉄道、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休 大洪水で
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部を中心に発生した大規模な洪水の影響を受け、ツェルマット~ディセンティス間を結ぶマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)は、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休するとの見通しを明らかにした。
もっと読む ツェルマット行き鉄道、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休 大洪水で
おすすめの記事
スイスが対ロシア制裁リストを拡大
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは対ロシア制裁リストを拡大した。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いていることを受け、欧州連合(EU)が決定した変更を採用した。
もっと読む スイスが対ロシア制裁リストを拡大
おすすめの記事
AIによる失業懸念、スイスは最低
このコンテンツが公開されたのは、
人工知能(AI)は日々の仕事に影響を与えている。スイスでは、多くの人たちが仕事を含めAIを使っているが、この新しいテクノロジーのせいで仕事を失うと心配している人は比較的少ないことが最新の調査で分かった。
もっと読む AIによる失業懸念、スイスは最低
おすすめの記事
核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの市民団体「核兵器禁止を求める同盟」は、国連核兵器禁止条約への加盟を求めるイニシアチブ(国民発議)を立ち上げた。必要な署名が集まれば国民投票が実施される。
もっと読む 核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始
おすすめの記事
スイス民族衣装祭りに観光客10万人
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・チューリヒで6月28~29日、連邦民族衣装祭りが14年ぶりに開催され、延べ約10万人の観客が訪れた。
もっと読む スイス民族衣装祭りに観光客10万人
おすすめの記事
クレディ・スイスのスイス法人が消失
このコンテンツが公開されたのは、
スイス二大銀行だったUBSとクレディ・スイスの現地法人の合併が1日、完了した。今後スイス国内でも「クレディ・スイス」の看板撤去が進むことになる。
もっと読む クレディ・スイスのスイス法人が消失
おすすめの記事
スイス人の平均寿命、過去最高に 男性は82.2歳
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの平均寿命は2023年時点で女性85.5歳、男性82.2歳と、過去最高記録を更新した。
もっと読む スイス人の平均寿命、過去最高に 男性は82.2歳
おすすめの記事
連邦内閣、マルティン・シュレーゲル氏をスイス中銀新総裁に任命
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内閣はスイス国立銀行(SNB、中銀)の新総裁に予想通りマルティン・シュレーゲル副総裁を任命した。ペトラ・チュディン氏が新たな理事会メンバーとなる。
もっと読む 連邦内閣、マルティン・シュレーゲル氏をスイス中銀新総裁に任命
おすすめの記事
職場のワンコ、従業員の満足度を向上 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
犬は職場の雰囲気を良くし、飼い主だけでなく他の従業員にとっても良い影響を与える――スイスの労働者を対象に実施された調査は、職場に犬がいることの効用を強調する。
もっと読む 職場のワンコ、従業員の満足度を向上 スイス調査
続きを読む
おすすめの記事
トランスジェンダー団体、職場での差別撤廃求めキャンペーン
このコンテンツが公開されたのは、
心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人たちでつくる団体「トランスジェンダー・ネットワーク・スイス(TGNS)」が7日、職場での差別撤廃を求める全国規模のキャンペーン「トランス・ウェルカム」を立ち上げた。
もっと読む トランスジェンダー団体、職場での差別撤廃求めキャンペーン
おすすめの記事
セクハラにあったらどうするか
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの職場でセクハラにあったらどうすればいいだろうか?どのような現実的支援や法的手段が存在し、どの程度の効果があるのだろう?スイスインフォは、職場のセクハラに関する社員の権利と会社側の責任について、キーポイントをまとめた。
もっと読む セクハラにあったらどうするか
おすすめの記事
スイスの学校でのいじめ、なぜいじめは起こるのか?そして対策は?
このコンテンツが公開されたのは、
ここ数年、スイスのメディアでひんぱんに取り上げられる学校でのいじめの問題。目・髪・肌の色、言語、国籍、宗教、家庭など、さまざまな容姿やバックグラウンドを持つ生徒たちが集まるスイスの学校。ここではこうした多様性ゆえに、異質なものを受け入れる力が子供たちにあるのではないか?それでもいじめがあるのはなぜだろう?
もっと読む スイスの学校でのいじめ、なぜいじめは起こるのか?そして対策は?
おすすめの記事
FBの中傷的内容に「いいね!」 スイスで有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの裁判所で5月29日、フェイスブック上の中傷的な投稿に「いいね!」ボタンを押し、他のユーザーに情報を拡散したことで名誉毀損罪に問われていた男性に有罪判決が言い渡された。この有罪判決をめぐりスイスでは議論を呼んでいる。インターネットの法律専門家マティス・ケルン氏は、ネット上の問題に関する前例が少なく、複雑で判断が難しいと話す。
チューリヒの裁判所から有罪判決を言い渡されたのは45歳のスイス人男性で、フェイスブック上に投稿されていた、動物愛護団体のエルヴィン・ケスラー会長を人種差別主義的かつ反ユダヤ主義的だと批判する内容に「いいね!」ボタンを押したことが、名誉毀損罪にあたるとされた。男性には4000フラン(約47万円)の罰金を科す判決が下され、同被告以外にも、投稿にコメントを残したり、シェアをして不特定多数に情報を広めた他の被告も有罪とされた。
もっと読む FBの中傷的内容に「いいね!」 スイスで有罪判決
おすすめの記事
スイスでイマームの養成は必要か?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスにあるモスクのイマーム(イスラム教指導者)の多くは外国出身で、たった数年しかスイスで暮らさない。そのため、この国に住むムスリム(イスラム教徒)の実生活についてあまり知らず、ムスリムがスイス社会に溶け込むための支援ができない場合がある。では、スイスでイマームを養成すればよいのだろうか?その必要はないと、イスラム学者のアンドレアス・トゥンガー・ツァネッティ氏は言う。
スイスインフォ: トルコの宗教局は、外国で暮らすトルコ人向けのモスクにイマームを5年間派遣しています。それにはスイスのモスクも含まれます。こうしたイマームは現地語が少ししか分からず、その国の社会についてもあまり知りません。ムスリムが現地社会に溶け込めるよう支援することはイマームの任務ですが、どうしたら彼らはその任務を認識できるでしょうか?
もっと読む スイスでイマームの養成は必要か?
おすすめの記事
ブルカの着用禁止は多数派の専制か
このコンテンツが公開されたのは、
スイスではこれまでの国民投票の結果、イスラム教の尖塔であるミナレットの新設、イスラム教徒の女性が全身を覆い隠すブルカの着用、ユダヤ教の屠殺方法であるシェヒターが禁止されてきた。はたして宗教的マイノリティは直接民主制の下では差別されやすいのだろうか?ある教授の解決策が一石を投じている。
ティチーノ州では2016年7月以降、顔を覆い隠すベールの着用が禁止されている。同州の住民がそう決定したためだ。
もっと読む ブルカの着用禁止は多数派の専制か
おすすめの記事
イスラム教で女性は奴隷?それとも女王様?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのメディアでは、イスラム教では女性は差別的に扱われ、抑圧されているというイメージが定着しつつある。しかし実際はどこまでがイスラム教に即した行為で、どこからが地域的な伝統行為なのか?この問いについて四つのテーマを軸に、イスラム教に改宗した3人のスイス人女性に話を聞いた。
スイスでイスラム教と女性の地位の問題が扱われる場合、必ずといっていいほど議題にのぼるのが、スカーフの着用、男女平等、一夫多妻制、女性器切除だ。これらのテーマでは、スイスの文化的価値観と外国の伝統の違いが激しく衝突する。
しかし実際のところ、イスラム教地域の文化、伝統、政治は別として、女性はイスラム教の経典コーランでどのような扱いを受けているのか?スイスの文化とイスラム教の両側面を知る3人のスイス人女性に話を聞いた。
もっと読む イスラム教で女性は奴隷?それとも女王様?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。