中国やロシア、日本では新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)で離婚が増えているが、スイスも例外ではない。
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マルチメディア・ジャーナリスト。2017年にswissinfo.ch入社。以前は日本の地方紙に10年間勤務し、記者として警察、後に政治を担当。趣味はテニスとバレーボール。
フランス語圏のスイス公共放送(RTS)によると、国内では過去数カ月で離婚・別居申請が増えている。
スイスでは3月中旬からロックダウンが緩和されるまでの約2カ月間、学校が休校になり、必需サービスを除く商業店や飲食店はすべて休業。また多くの企業が在宅勤務を導入し、政府は不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。
このため夫婦・家族で過ごす時間が増えた反面、ストレスや価値観の不一致が表面化したともいえる。
家庭問題を専門とするジュネーブのアン・ライザー外部リンク弁護士はRTSに対し、ロックダウンが緩和されて以降、通常の2倍近い1日10数件の離婚申請が寄せられていると語った。同氏は「閉ざされた環境で夫婦関係がクリアになった」といい「耐えかねなくなり、離婚へまっしぐらに突き進んでいるように感じる」と話す。
オンライン離婚サイトでも
国内のオンライン離婚相談サイトでも同じ現象が起きた。RTSによると、easydivorce.ch外部リンクでは4、5月のサイト訪問者が急増。ロックダウンさなかの4月がピークで、過去最高の39%増だったという。
別の離婚専門サイトdivorce.ch外部リンクでは、ロックダウン緩和が始まった5月中、合意に至った件数は68%増加したという。
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相談内容に変化
相談者から寄せられる問い合わせの内容にも変化があった。
オンライン離婚相談プラットフォームのScheidungsagentur.ch外部リンクによると、例えば操業短縮制度が適用されて収入が減った場合、養育費支払いを減額できるか、あるいはロックダウンで(別居中の)子供への面会ができなかった場合、後で埋め合わせできるか、というような相談が増えたという。
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全容はこれから
ただ、離婚・別居申請の増加がすべて新型コロナウイルスに伴う外出自粛や休業要請に起因するとは、まだ断言できない。
Scheidungsagentur.ch外部リンクの担当者は「操業短縮制度に伴う収入減、在宅勤務、保育園の休業などでカップル間の関係が試されてきたことは事実」とする一方、「これらの要因が実際にどれだけ別居・離婚につながったかを明示する統計はまだない」と指摘する。
同サイトによれば、家庭内不和の状態にあるカップルが実際に離婚・別居へのステップを踏むまでには一定の期間を要する。つまり、申請が偶然コロナ危機と重なった可能性もある。
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