スイスの視点を10言語で

スイスの失業率3.7%、2010年春以降で最悪

RAVの受付
1月の失業者登録数は前月に比べ6208人増えた。 © Keystone / Christian Beutler

スイスの1月の失業率は新型コロナウイルス危機を受けて再び悪化し、2010年4月以来最も高い3.7%となった。

新型コロナ危機は依然、スイス経済に深刻な影響を及ぼしている。地域就職支援センター(RAV/ORP/URC)の失業者登録数は1月末時点で16万9753人に上り、前月に比べ6208人増えた。

連邦経済省経済管轄庁(SECO)の発表(8日付)によると、前年同月比では40.3%(約4万8735人)の増加となった。世界労働機関(ILO)の集計はRAVに登録されていない長期失業者も含むため、SECOとは数値が異なる。

1月中の求人件数は7715件増の3万2941件で、うち2万1684件は国内雇用を優先するよう義務付けられた職種だった。スイスでは2018年7月から、失業率が8%を超える職種は求人をまずRAVに届け出なければならなくなった。昨年1月1日にはその対象が失業率5%以上の職種に拡大された。

SECOによると昨年11月時点で、コロナ危機に伴い操業短縮制度の適用を受けた労働者は29万6592人(前月比35.2%増)だった。事業所数では同50.1%増の計3万4311社だった。短縮分の労働時間も5割近く増え、1900万時間となった。

スイスでは、経営が難しくなった企業は一時的に従業員の労働時間を減らすことができる。被雇用者は労働時間が減り、雇用者が受け取る賃金も減るが、失業保険がその8割を補填する。

例えばフルタイム(100%勤務)の従業員の労働時間が半減(50%勤務)した場合、雇用者は通常の賃金の50%を支払い、残りの50%の8割が失業保険から給付される。つまりこの従業員が受け取る賃金は通常の90%になる。補填分は失業保険からまず雇用者に給付され、それから従業員の賃金に充てられる。

企業は一定期間、完全に操業を止めることもできる。


人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

ジョン・レノンとオノ・ヨーコさん

おすすめの記事

ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定

このコンテンツが公開されたのは、 ビートルズのジョン・レノンさんが殺害される2カ月前にオノ・ヨーコさんから贈られ、その後盗まれた腕時計について、スイスの連邦最高裁判所はオノさんに時計の完全な所有権があるとの判決を出した。

もっと読む ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
スイス証券取引所を運営するSIX本社

おすすめの記事

スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。

もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
野菜

おすすめの記事

2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。

もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
研究所の外観

おすすめの記事

CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える

このコンテンツが公開されたのは、 今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。

もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
クラスの風景

おすすめの記事

女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。

もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
雪山で写真を撮る観光客

おすすめの記事

11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ

このコンテンツが公開されたのは、 スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。

もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
巨大な豆腐を切る人

おすすめの記事

スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。

もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
草原のツルの群れ

おすすめの記事

スイスを縦断するツルが過去最多

このコンテンツが公開されたのは、 スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。

もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
手

おすすめの記事

「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。

もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部