スイス・バーゼル市警察に、新型テスラ電気自動車のパトカー2台が新たに配備された。だが、この車の購入とデータ保護をめぐり、様々な問題が浮上している。
このコンテンツが公開されたのは、
バーゼル・シュタット準州の司法警察省は26日外部リンク、注文した7台のうち2台は準備ができており、警察官も所要の訓練を終えたと述べた。
州の情報保護を担当するベアト・ルディン氏は、テスラ車の事前チェックを完了し、8つの勧告をまとめた報告書外部リンクを警察に送付した。同氏はこの中で、テスラのSIMカードをスイス製のものに変えることを提言している。
同氏は当初、データ保護の問題が解決されるまでテスラ車を使用すべきではないと訴えていた。同氏は26日に出した声明で、8つの勧告が採用されれば、テスラ車の使用に異議はないと述べた。
相次ぐ批判
バーゼル市警察は2018年3月、緊急車両として7台のテスラ車を注文したと発表した。購入費は14万フラン(約1540万円)で、既存のパトカーよりはるかに高額だったため、一部の地元議員らから批判が上がっていた。
これに対し警察は、テスラ車を導入することで燃料費と維持費が減り、環境への影響も少なくなるとメリットを訴えた。
注文した車両の一部が到着した直後の昨年12月、今度はデータ保護の問題が浮上した。テスラ車搭載の人工知能システムは、車両の位置などのデータを送信する。警察は、このデータ漏洩のリスクについて適切な調査を行わなかったとして強く批判された。
さらに今年2月、州議会委員会は、車両が正規の入札規則を守らず「違法に」購入されたものとする決定を出し、再び批判の的になった。
注文した7台のうち3台が納車済み。 1台は予備として保管される。残りの4台は今年末までに到着予定という。
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
続きを読む
おすすめの記事
地震の後でドローンが救援に?
このコンテンツが公開されたのは、
ダヴィデ・スカラムッツァ教授は、カメラとセンサーを搭載し、危険で予測不可能な捜索救助活動の場で活躍する自律飛行ドローンの開発を行っている。自律飛行ドローンの最も将来性のある活用法とリスクについて教授に聞いた。
もっと読む 地震の後でドローンが救援に?
おすすめの記事
超高速鉄道ハイパーループに夢をかけるスイスの研究者たち
このコンテンツが公開されたのは、
イーロン・マスク氏が磁石の浮力を利用し真空管の中を超高速で走る交通機関で世界を変えようとしている。7月末に米カリフォルニアでこの新技術を競った学生たちのなかには、スイス人学生も2人いた。だが実は発想そのものは新しくはなく、1974年にスイスメトロが似たようなプロジェクトを立ち上げていた。マスク案はその再来といえるのだろうか?
もっと読む 超高速鉄道ハイパーループに夢をかけるスイスの研究者たち
おすすめの記事
スイスの電気自動車 今後の発展は?
このコンテンツが公開されたのは、
電気自動車(EV)の普及に向け政府がさまざまな取り組みを行っているにもかかわらず、スイスはこの分野で後れを取っているのが現状だ。その一方で、電気自動車のエコ効率を疑問視する声も高まっている。
もっと読む スイスの電気自動車 今後の発展は?
おすすめの記事
スイス、ハイパーループ技術をテスト
このコンテンツが公開されたのは、
超高速輸送システム「ハイパーループ」の欧州初の試験場所として、スイス南部ヴァレー(ヴァリス)州コロンベイ・ミュラにある工業地区が選ばれた。来年後半に着工する予定。
もっと読む スイス、ハイパーループ技術をテスト
おすすめの記事
ベーシック・インカム国民投票、敗者にも満足の色
このコンテンツが公開されたのは、
あの国民投票からおよそ1年。論議を呼んだイニシアチブの主題「最低生活保障(ベーシック・インカム)」がスイスで話題になることは少なくなった。だが、どの国も同じというわけではない。
もっと読む ベーシック・インカム国民投票、敗者にも満足の色
おすすめの記事
不正投票に賞金1億円? 安全性検証へ議員が提案
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電子投票システムは完全に信頼できるのか。一抹の不安も残さないために、このシステムをハッカーに検証させるという案が出ている。システムを破ったハッカーには最大100万フラン(約1億1400万円)の報酬を出す。
もっと読む 不正投票に賞金1億円? 安全性検証へ議員が提案
おすすめの記事
送電システムの技術開発 ABBがリード
このコンテンツが公開されたのは、
スイスとスウェーデンの国籍をもつ科学技術会社で最有力企業のABBは、船舶の発電効率を改善するシステムを開発。その技術水準はさらに上がった。 ABBは自身が開発した船上で生産する直流(DC)電力送電網は船内の化石燃料消費…
もっと読む 送電システムの技術開発 ABBがリード
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。