ベルン大学のクリストフ・パッパ事務総長(右)は記者会見で、容認できない行為と、その結果として信頼が失われたことを受け、予告なしの解雇に踏み切ったと説明した
© Keystone / Anthony Anex
ベルン大学は17日、パレスチナのガザ地区を実効支配するハマスのイスラエルへの攻撃についてソーシャルメディアに肯定的な書き込みをした講師を予告なく懲戒解雇した。同大中東・イスラム社会研究所(ISNO)に対する行政調査も開始し、共同所長に停職処分を与えた。
このコンテンツが公開されたのは、
ベルン大学は同日の声明外部リンクで「社会の大きな反響を引き起こした前例のない事件に直面している」と述べた。ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)上で行われた物議を醸す投稿は容認できないものであり、大学はあらゆる種類の暴力やそれへの支援を非難すると強調した。
解雇された講師はXで、ハマスの攻撃は自身の誕生日前にもらった最高のプレゼントだ、と投稿したとされる。
別の投稿では、ハマス襲撃の動画に「シャバット・シャローム」(「安息日に平和あれ」の意)というコメントしたとされる。その後、投稿は削除された。
ベルン大学のクリストフ・パッパ事務総長は17日の記者会見で、「容認できない行為と、その結果として信頼が失われたことを受け、予告なしの解雇に踏み切った」と語った。
行政調査として、ISNOは経営体制の外部評価を受ける。共同所長のセリーナ・トリノ氏は調査期間中、停職処分となった。
ベルン州検察は現在、事件の事実を捜査し、刑事性があるかどうかを調べている。検察報道官は17日、スイスの通信社Keystone-SDAに対し、捜査はまだ完了していないと語った。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
おすすめの記事
スイス、PFASの規制強化を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。
もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
このコンテンツが公開されたのは、
ローザンヌ国際バレエコンクールの最終選考が8日に行われ、韓国のパク・ユンジェさんが優勝。群馬出身の安海真之介さんが3位で入賞した。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
続きを読む
おすすめの記事
スイス、ハマスのイスラエル攻撃を非難
このコンテンツが公開されたのは、
パレスチナのイスラム過激派組織ハマスがイスラエルに対して大規模な爆撃を仕掛けたことを受け、スイス外務省は7日、ハマスを非難する声明を発表した。
もっと読む スイス、ハマスのイスラエル攻撃を非難
おすすめの記事
スイス内閣「ハマスはテロ組織とみなされるべき」
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内閣は、パレスチナのイスラム組織ハマスがテロ組織に分類されるべきだという見方を示した。政府の中東タスクフォースが、そのための法的選択肢を検討する。
もっと読む スイス内閣「ハマスはテロ組織とみなされるべき」
おすすめの記事
中立国スイス ハマスをテロ組織に指定することは本当に可能?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府が、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスをテロ組織に指定する意向を表明したが、実現はそれほど簡単ではない。人道援助や和平交渉、スイスの金融業界に支障をもたらしかねないためだ。
もっと読む 中立国スイス ハマスをテロ組織に指定することは本当に可能?
おすすめの記事
赤十字、人質解放求めハマス・イスラエルに接触
このコンテンツが公開されたのは、
ジュネーブの赤十字国際委員会(ICRC)は、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによって拉致された人質の解放を促進するため、ハマス・イスラエル双方に接触している。ICRCが12日発表した。
もっと読む 赤十字、人質解放求めハマス・イスラエルに接触
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。