スイスの視点を10言語で

スイスの悩み相談窓口 利用者急増

電話で話すデスクの女性
Tel143はスイス国内12地域を拠点に、合計640人のボランティアが24時間体制で対応している Keystone

昨年、スイスのホットライン「Tel143 - 支援の手」が応じた心の問題や個人的な悩みに関する相談件数はおよそ10%増加した。

電話番号143にかければ匿名相談できる「Tel143 - 支援の手外部リンク」は4日、2018年の電話による相談件数は24万1359件で、一年で8.6%増加したと報告した。インターネット上のEメールやライブチャットによる相談件数も11.8%の増加をみせた。

Tel143はスイス国内12地域を拠点に、合計640人のボランティアが24時間体制で対応している。同団体によると、ドイツ語圏で対応強化を図ったところ電話による相談件数が12%増加した。

性別にみると、男性の相談件数はわずかに減少し全体の31.6%を占めたが、男女比は3対7の割合で過去数年と比較して変化はなかった。

年齢層でみると、「中年層かそれ以上」の年齢層からの相談が多い。18歳以下の相談は1%以下で、65歳以上は20%に留まった。

電話相談の理由では「心の問題」が25.8%で最も多かった。その次に「日々の問題」(22%)、「人間関係」(17%)、「孤独」(10%)と続いた。全相談連絡のおよそ80%はすでに過去、相談の経験があった。

インターネットを使った相談件数は6884件で、若年層によるものがほとんどを占めた。40歳以上は全体の10%だった。相談内容の7%は自殺についてだった。

Tel143は非営利団体。団体名は言語圏ごとに訳され、フランス語圏では「Tel143 – La Main Tendue」、ドイツ語圏では「Tel143 – Die Dargebotene Hand」と呼ばれている。運営費の60%は公衆による寄付でまかなわれ、心の問題に関する相談にボランティアが24時間体制で対応している。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

牧草をはむ牛

おすすめの記事

スイス、PFASの規制強化を検討

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。

もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
ツークの街並み

おすすめの記事

スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ

このコンテンツが公開されたのは、 世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。

もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
鏡を見るバレエダンサー

おすすめの記事

ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。

もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
自転車で遊ぶ子ども

おすすめの記事

スイス政府、国際養子縁組を禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。

もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
生殖治療の画像

おすすめの記事

スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。

もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
研究施設で働くマスク姿の人

おすすめの記事

スイスに感染症情報解析センター発足

このコンテンツが公開されたのは、 感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。

もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部