はしか感染の広がりを防ぐため、スイス連邦内務省保健局は予防接種を呼び掛けている
Keystone / Sascha Steinbach
スイス連邦内務省保健局は2日、今年になって国内で麻しん(はしか)感染により2人が死亡したと発表外部リンクした。感染数は増加している。
このコンテンツが公開されたのは、
1人は予防接種を受けていない30歳の男性で、親戚から感染した。男性は感染してから67時間後に予防接種を受けたが手遅れだった。症状が現れて間もなく自宅で死亡した。
もう一人は、がんにより免疫力が低下していた男性(70)。はしかの合併症で肺炎を発症し、感染から数日後に死亡した。2人の詳しい死因はいずれも調査中という。
保健局は、予防接種を受けるよう呼び掛けている。自分自身だけでなく、赤ちゃんや妊娠中の女性、免疫力が低下している人など、予防接種を受けられない人々に感染が広がるのを防ぐことができるためだ。
>>スイスでは予防接種を受けさせない親たちがいる
7倍の増加
保健局によると、スイスでは今年に入ってはしかの感染数が155件に上った。1月から4月中旬までで138件と前年同期(19件)と比べ7倍以上も増加している。
>>スイスではしかの感染が急増
保健局は、流行状況は「厳しい」とコメント。はしかを完全に排除するには、1963年以降に生まれた子供と大人の95%が予防接種を2回受けた場合にのみ可能だという。
ヌーシャテル州、ベルン州で特に感染が広がっており、拡大を食い止める追加的措置が急務とだという。これには対象者の連絡先の特定、予防接種を受けていない子供の保育園・学校の出席見合わせなどが含まれる。同局は、はしかに感染した人と同じ飛行機に乗った乗客についても報告が必要だとし、しかるべき措置を講じなければならないとしている。
おすすめの記事
スイス、PFASの規制強化を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。
もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
このコンテンツが公開されたのは、
ローザンヌ国際バレエコンクールの最終選考が8日に行われ、韓国のパク・ユンジェさんが優勝。群馬出身の安海真之介さんが3位で入賞した。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
続きを読む
おすすめの記事
予防接種を受けさせないスイスの親たち
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは自分の子供に意図的に予防接種を受けさせない親がいる。だがこういった姿勢は、感染症根絶の妨げにもなっている。なぜ予防接種を拒むのだろう?
もっと読む 予防接種を受けさせないスイスの親たち
おすすめの記事
はしか、スイスで流行続く
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内務省保健局は1987年、はしか対策として予防接種計画を発表。2000年までに、はしかを排除できるとしていた。その予定の年から17年過ぎた今、スイスでのワクチン接種率は87%となっており、世界保健機関(WHO)が排…
もっと読む はしか、スイスで流行続く
おすすめの記事
はしか感染がスイスで急増
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで麻しん(はしか)の感染が急激に広がっている。2019年に入って3カ月足らずで感染数は100件近くに達している。
もっと読む はしか感染がスイスで急増
おすすめの記事
はしかの予防接種を義務付け?
このコンテンツが公開されたのは、
州保健官庁の代表は2月16日、はしか撲滅という目標達成のために欠かせない有効手段を有益な期間内にすべて投入するため、連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) と協力して尽力する意向を発表した。 2006年以降3400人…
もっと読む はしかの予防接種を義務付け?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。