国際オリンピック委員会(IOC)は5日、ロシアの2018年冬季五輪(韓国・平晶)への出場禁止を決めた。ただ個人資格で「ロシアからの五輪選手」として出場する道も残した。
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スイス連邦反ドーピング機関「アンチ・ドーピング・スイス外部リンク」のコリン・シュミットハウザー会長は5日、「IOCの決定はクリーンなスポーツを目指すうえで重要なメッセージになる」と語った。
スイスのローザンヌに本部を置くIOC外部リンクはロシア・オリンピック委員会のアレクサンダー・ジューコフ会長のIOC委員資格を停止した。ソチ五輪当時のスポーツ相だったヴィタリー・ムトコ副首相を五輪から永久追放すると決めた。
IOCは記者会見で、ロシアのドーピング疑惑を暴いたシュミット報告書が「ロシアの反ドーピングの規則・制度の改ざんを裏付けた」とした。
報告書をまとめたIOC規律委員会のサミュエル・シュミット委員長(元スイス大統領)は記者団に「(ロシア検察機関の元所長の)グリゴリー・ロドチェンコフ氏の証言だけではなく、科学的な証拠や書類、複数の証言者がそろっている。事実としてロシアが組織的にドーピングに関わり反ドーピング違反を犯していた。14年のソチ五輪でも不正があった」と述べた。
国際的な批判
16年夏のリオデジャネイロ五輪では、ロシア選手の完全な出場禁止は見送られた。すべての陸上と重量上げの選手は出場できなかったが、387人のロシア選手団のうち約7割が同五輪に参加した。
だが今回は、他国や反ドーピング団体、スポーツ選手からロシアの完全排除を求める声が高まったことを受け、厳しい処分を決めた。7ヶ月後にはロシアでサッカーのワールドカップ開催も控えている。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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国際オリンピック委員会(IOC)を創設し「近代オリンピックの父」と呼ばれたピエール・ド・クーベルタン氏は、近代五輪に平和と平等の願いを込めた。しかし、開幕式を間近に控えたリオはそんな理想とは程遠い、どんよりとしたムードが漂う。
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