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スイスのセックスワーカー、5人に1人が性病感染 無自覚のまま

チューリヒの歓楽街
チューリヒの歓楽街 Keystone

スイスの性風俗産業従事者の5人に1人が性感染症(STD)に感染し、そのほとんどが無自覚であることがわかった。

 ザンクト・ガレン州立病院の感染症科がセックスワーカー600人を対象に行った。調査結果は未発表だが、ドイツ語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングが13日に報じた外部リンクところによれば、セックスワーカーの5人に1人が無自覚、無症状の状態で性感染症に感染していることがわかった。

 性感染症は主に淋病(りんびょう)、クラミジア感染、梅毒で、HIVや(B型・C型)肝炎患者はいない。

 調査を行った感染症科のピエトロ・ヴェルナッツァ主任は「セックスワーカーが適切な治療を受けなければ、公衆衛生上のリスクが発生」し、「客が性感染症を持ち帰る可能性がある」と警告を鳴らす。淋病や梅毒などはオーラルセックスだけで他人にうつすことができる。

 適切な治療を受けない場合、患者は数週間にわたり感染力を持ち続ける。ヴェルナッツァ氏は、セックスワーカーが性病検査を受けやすい環境を整え、健康保険などで検査に掛かる費用を負担するなどの措置を提案している。

 スイスでは1942年から売春は合法だが、路上売春は大都市の特別エリア以外は違法となっている。スイス政府は売春を禁止しない見返りに、セックスワーカーの保護強化と人身売買防止策を立てた。

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