スイス健康調査機関(OBSAN)が行った2016年の患者調査で、スイスの中毒患者はどのような合法・違法薬物に依存し、またどの地域に集中しているのかが明らかになった。フランス語圏の日曜紙ル・マタン・ディマンシュが21日付けで報じた。
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調査は2016年の患者記録7万5000件を分析し、直接・間接的に中毒で入院した患者数を調べた。
「副次的診断」で初めて飲酒が関係していたと分かった事例は4万6000件以上あった(もし女性がはしごから落ちて頭をぶつけた場合、一次診断は「脳震とう」となる)。喫煙が背景にある症例は1万6000件、鎮静剤・睡眠薬は1万2000件。8500件は鎮痛剤、7000件は大麻、5000件はコカインだった。
2016年に入院した中毒患者の平均は、住民1000人当たり8.9人だった。
アルコール依存症を専門的に扱う医療機関Arudクリニック(チューリヒ)の主任心理学者ティロ・ベックさんは、ル・マタン紙のインタビューで、「患者の大半は、禁断症状が出て入院するのではなく、むしろ毎日、何年も(恐らく何十年も)飲酒を続けた結果、別の問題で治療を受けたときに本来の問題の重篤さを認識したというケースが多い」と話した。
地域差
地域差もみられた。入院数が最も多かったのはバーゼル・シュタット準州で、住民1000人当たり17人だった。ツーク州、アッペンツェル・インナーローデン準州、ニトヴァルデン準州の4倍だった。バーゼル・シュタット準州はこの結果に対し、データのファイリングの仕方には地域差があると主張した。
スイス南西部に位置するジュラ州、ジュネーブ州、ヴォー州、ヴァレー州(ヴァリス州)の入院数はスイスの平均値を総じて上回った。ル・マタン紙は「フランス語圏の人は他の地域よりも酒を多く飲み、ドラッグの使用率も高い」のではないかと報じた。
もっとも、ワースト3に上がるヴァレー州の場合、スイスのワイン産業の中心という土地柄から、飲酒量の多さは単に「ワインが近くにあるから」かもしれないと同紙は指摘している。
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