保健庁によると、感染のほとんどは家庭内で起こる
Keystone / Gaetan Bally
連邦保健庁は2日、先月末に公表した新型コロナウイルスの感染経路に関する統計を大幅修正した。感染の大半は家庭内で起こっているとした。
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保健庁は先月31日、ドイツ語圏のスイス公共放送SRFの問い合わせに対し、感染経路の統計を公表。統計は過去2週間(7月16日~30日)で医師から報告のあった感染件数729件の経路をまとめたもので、クラブ・ディスコが最も多く(41.6%)、バー・レストランが26.8%で続いた。
ところが2日夜、保健庁はこのデータに誤りがあったと発表。修正後の統計では、家族内感染が27.2%で最も多く、次いで職場(8.7%)、プライベートの集まり(3%)だった。
クラブ・ディスコは1.9%、バー・レストランは1.6%だった。
ただ保健庁は、ナイトクラブでの感染は「規模が大きくなりやすく、それ以上の人が自宅隔離に追い込まれる可能性がある」と指摘。特に1人が多数にウイルスを媒介する「スーパースプレッダー」感染が発生すると、州の接触追跡システムに大きな負担をかけるため、こうした環境下では感染リスクを最小に抑えることが重要だと述べた外部リンク。
一部の政治家は、保健庁の今回の対応を批判。急進民主党は詳しい経緯と再発防止策について説明を求めたが、同庁は「メディアから寄せられる多数の問い合わせの中で、間違ったデータを提供した。内部プロセスを精査する」との回答に留まった。
スイス州保険局長会議のルーカス・エンゲルベルガー会長は3日、SRFに「間違いが起こることもある」と釈明。「いずれにせよ州は、域内の発生状況、それも自身が信頼に足るものと判断したものをベースに政策判断している」と述べた。
ジュネーブ州は先月31日から今月23日まで全てのナイトクラブの営業停止を命じている。
スイス政府は1千人超のイベント開催を当面禁止している。1千人以下のイベントは感染追跡が確保できる場合にのみ開催可能だが、それよりも厳しい措置を独自に設けている州が多い。
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