スイスの視点を10言語で

時事ニュースはスマホで1日7分 若年層の関心の低さが明らかに

電車に乗る若者
若年層はスマートフォンで1日に7分しかニュースを見ていないことが明らかになった Keystone/Christof Schürpf

スイス人の約4割上(38%)はニュースを見ず、特に若年層は時事問題に対する関心が低い。チューリヒ大学の公共・社会研究センター(fög)が24日に発表したスイスのメディア事情に関する年次調査外部リンクで、こんな傾向が明らかになった。

同調査は、「ニュースを見ない人は、政治プロセスに参加しにくく、政治機関を信頼しない傾向にある。これは民主主義にとって問題だ」と結論づけた。

調査では、若年層は1日にわずか7分しかニュースを見ていないことが明らかになった。情報源はスマートフォンで、この年齢層にとって様々な情報を得るための重要な手段だ。これまで、ニュース情報源としてのスマホの利用状況はほとんど知られていなかった。そのためfögは今年の調査で、19~24歳の300人を対象にスマホの利用状況をモニターした。

おすすめの記事
Transparent mit dem Schriftzug Hauptstadt.be

おすすめの記事

民間メディアへの国家助成案に4割が賛意

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは財政難にある民間メディアに国が財政支援することを検討している。この案に対する世論の支持は欧州で例を見ないほど高く、専門家を驚かせている。

もっと読む 民間メディアへの国家助成案に4割が賛意

ニュースを見る時間が1日7分という結果は、数年前から観察されていた若年層のニュース離れを裏付けた。男性11分に対し、女性は5分だった。

これは民主主義に影響を与えるとfögは指摘する。新聞、ラジオ、テレビなどの伝統的なメディアから、頻度は高くなくとも定期的に情報を得ている人は、投票率が7割と特に高いことが分かっている。

一方、ニュースを見ない人の投票率は3割と大きく下がる。政治への関心が低く政府への不信感が強いのも、人口の38%に当たるこのグループの特徴だ。

英語からの翻訳:シュミット一恵

おすすめの記事
ベンチに座った男性

おすすめの記事

「歩きスマホ」理論のイグ・ノーベル賞に貢献したスイス人研究者

このコンテンツが公開されたのは、 ユーモラスな科学的研究に贈呈されるイグ・ノーベル賞の「動力学」部門は今年、再びスイスが受賞した。共同受賞者の1人で、東京大学で研究に当たるクラウディオ・フェリシアーニ氏を取材した。

もっと読む 「歩きスマホ」理論のイグ・ノーベル賞に貢献したスイス人研究者

​​​​​

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

ベルンのハイキングコース

おすすめの記事

大雨被害で多くの登山・ハイキングコースが閉鎖 スイス

このコンテンツが公開されたのは、 大雨による洪水や地滑りが発生したスイスでは、依然として約620カ所の登山・ハイキングコースが閉鎖されている。特に南部のヴァレー(ヴァリス)州で大きな被害が出ているという。

もっと読む 大雨被害で多くの登山・ハイキングコースが閉鎖 スイス
スウォッチのロゴ

おすすめの記事

スウォッチ1~6月期売上高14.3%減 中国の需要低迷が重荷に

このコンテンツが公開されたのは、 スウォッチが15日発表した1~6月の純売上高は34億5000万フラン(約6070億円)と、前年同期比で14.3%減った。中国の高級品需要の落ち込みが、スイス時計業界全体の重荷になっている。

もっと読む スウォッチ1~6月期売上高14.3%減 中国の需要低迷が重荷に
マイクに向かって演説をする女性

おすすめの記事

トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」

このコンテンツが公開されたのは、 ドナルド・トランプ前大統領が13日に銃撃された事件を受け、スイスのヴィオラ・アムヘルト大統領は「政治的な暴力は容認できない」と訴え、一日も早い回復を祈った。

もっと読む トランプ氏銃撃、スイス大統領「容認できない」
洪水の被害を受けた地域

おすすめの記事

ツェルマット行き鉄道、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休 大洪水で

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部を中心に発生した大規模な洪水の影響を受け、ツェルマット~ディセンティス間を結ぶマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)は、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休するとの見通しを明らかにした。

もっと読む ツェルマット行き鉄道、少なくとも8月中旬まで一部区間で運休 大洪水で
スイスは対ロシア制裁リストを拡大した

おすすめの記事

スイスが対ロシア制裁リストを拡大

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは対ロシア制裁リストを拡大した。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いていることを受け、欧州連合(EU)が決定した変更を採用した。

もっと読む スイスが対ロシア制裁リストを拡大
人工知能(AI)による雇用喪失への懸念はスイスが最も低かった

おすすめの記事

AIによる失業懸念、スイスは最低

このコンテンツが公開されたのは、 人工知能(AI)は日々の仕事に影響を与えている。スイスでは、多くの人たちが仕事を含めAIを使っているが、この新しいテクノロジーのせいで仕事を失うと心配している人は比較的少ないことが最新の調査で分かった。

もっと読む AIによる失業懸念、スイスは最低
核兵器禁止を訴える団体

おすすめの記事

核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの市民団体「核兵器禁止を求める同盟」は、国連核兵器禁止条約への加盟を求めるイニシアチブ(国民発議)を立ち上げた。必要な署名が集まれば国民投票が実施される。

もっと読む 核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始
スイスの伝統衣装を着た女性

おすすめの記事

スイス民族衣装祭りに観光客10万人

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・チューリヒで6月28~29日、連邦民族衣装祭りが14年ぶりに開催され、延べ約10万人の観客が訪れた。

もっと読む スイス民族衣装祭りに観光客10万人
UBSとクレディ・スイスのロゴが入った窓ガラス

おすすめの記事

クレディ・スイスのスイス法人が消失

このコンテンツが公開されたのは、 スイス二大銀行だったUBSとクレディ・スイスの現地法人の合併が1日、完了した。今後スイス国内でも「クレディ・スイス」の看板撤去が進むことになる。

もっと読む クレディ・スイスのスイス法人が消失

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部