欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士に、スイス人医師のマルコ・ジーバーさん(33)が選ばれた。ジーバーさんが宇宙に飛び立てば、史上2人目のスイス人宇宙飛行士となる。
このコンテンツが公開されたのは、
ESAが23日発表した。ESAは2万2500人の応募者の中から宇宙飛行士訓練性プログラムの対象者として17人(宇宙飛行士5人、予備宇宙飛行士11人、身体障がいのある宇宙飛行士1人)を選出。出身国はスイスのほかベルギー、フランス、スペイン、英国だ。ESAが新規に宇宙飛行士候補生を採用したのは13年ぶり。
ジーバーさんはベルン出身で、現在はスイスの都市ビール(ビエンヌ)で泌尿器科医として働く。スイス軍の落下傘兵であり、自家用操縦士免許も持つ。
ジーバーさんは過去にコソボの国際平和維持活動で、スイス軍の主席医務官を務めたこともある。余暇にはスカイダイビング、パラグライダー、スキューバダイビング、スキー、カイトサーフィンなどのスポーツを楽しむ。
ESAによると、ジーバーさんは国際宇宙ステーション(ISS)、そしてさらに遠方へのミッションを視野に入れた訓練を受ける。2023年春、ドイツ・ケルンにあるESAの欧州宇宙飛行士センターで1年間の基礎訓練コースが始まる。宇宙への出発は、2026年以降になりそうだ。
史上1人目のスイス人宇宙飛行士はクロード・ニコリエさん。NASAのシャトルで4回の宇宙飛行を行い、1千時間以上宇宙に滞在した。
ESAに加盟する22カ国は23日、今後3年間のESAの予算169億ユーロ(約2兆4330億円)を承認した。スイスの拠出額は6億フランとなる。
英語からの翻訳:宇田薫
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
続きを読む
おすすめの記事
宇宙探査 小国スイスの大きな貢献
ノーベル物理学賞をスイス人科学者が受賞。ミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏は、世界で初めて太陽系外の恒星を周回する惑星を発見。これまでの宇宙探査、宇宙研究で数々の功績を残している。
もっと読む 宇宙探査 小国スイスの大きな貢献
おすすめの記事
世界初の「宇宙ごみ収集車」はスイス製
このコンテンツが公開されたのは、
欧州宇宙機関(ESA)が8600万ユーロ(約107億円)もの多額の資金を新興企業1社に拠出するのは初めてのことだ。契約を締結したのは、スイスのスタートアップ企業。宇宙ミッションにとって脅威となっている宇宙ごみ(デブリ)を除去する。同ミッションは、2025年開始予定だ。
もっと読む 世界初の「宇宙ごみ収集車」はスイス製
おすすめの記事
「子どもの夢がかなった」
このコンテンツが公開されたのは、
1969年7月20日夜、世界中の目が月に向いていた。若かりしクロード・ニコリエ氏もニール・アームストロングの冒険を胸を高鳴らせながら追っていた。ニコリエ氏は宇宙に滞在したことがあるただひとりのスイス人宇宙飛行士だ。
もっと読む 「子どもの夢がかなった」
おすすめの記事
アポロ11号月面着陸 ベルン大学が作った「月のおもちゃ」
このコンテンツが公開されたのは、
今から50年前、人類は初めて月に降り立った。米国のアポロ11号が成し遂げたこの功績は、スイスのベルン大学にとっても大きな一歩だった。月面で使ったベルン大学の「ある機材」のおかげで、ビッグ・バン理論の不一致を解消することができたからだ。
もっと読む アポロ11号月面着陸 ベルン大学が作った「月のおもちゃ」
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。