国外に居住する在外スイス人の数は2019年、77万900人に達した。在外スイス人のほぼ3分の2が、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国に住んでいる。
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連邦統計局の最新のデータ外部リンクで、在外スイス人の数は依然として増え続けていることがわかった。世代間に違いはなかった。
2019年、国外に居住するスイス人の数は77万900人(前年比1.4%増)だった。前年に引き続きアフリカが唯一減少した。
欧州諸国は引き続き最人気
在外スイス人が最も多いのは欧州の48万4300人(全体の63%)。スイスと国境を接するフランスは依然最も人気のある居住国(19万9800人)で、同じく隣国のドイツ(9万2200人)、イタリア(4万9800人)がそれに続いた。
東ヨーロッパ諸国、バルカン諸国、バルト3国を除き、欧州の在外スイス人は女性の割合が男性よりも大きい。欧州以外では米国、カナダ、オーストラリア、イスラエルが移住先として人気が高く、前年比で最も増加幅が大きかったのはイスラエルの3.3%増だった。
在外スイス人も高齢化
在外スイス人の5人に1人以上は18歳未満だが、65歳以上も5分の1を占める。57%は働き手である生産年齢層に属する。
統計局によると、在外スイス人の高齢化は増加した高齢層の移住によるものだけでなく、在外スイス人の高齢化も一因となっている。
(独語からの翻訳・大野瑠衣子)
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「人の往来が非常に激しくなった」。8月6日にベルンで行われた第94回在外スイス人協会(ASO)会議で、レモ・ギジン会長は現代の状況をそう要約した。同じく会議に参加したヌーシャテル大学のジャンニ・ダマート教授(移民・国籍研究)も、「人が動く、それがグローバル化だ」と確信したという。
人々が移住する理由は何か?ダマート教授は「仕事、家族、ライフスタイル」の3点にあると言う。スイス人の場合、キャリアのチャンスを求めて外国へ行ったり、勤め先の海外転勤で移住したり、大学や職業訓練を目的に外国に移住したりすることが多い。あるいは外国に住む人との恋愛が理由で引っ越す人もいるだろう。他にも温暖な気候を求めて定年後スイスを離れるケースもある。
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