ジュネーブの食糧配給に集まった人たちへの聞き取り調査で、新型コロナウイルスが貧困ラインに近い状態で暮らす人たちへ及ぼす影響は、そうでない人に比べ4.5倍高いことが分かった。
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ジュネーブで2日に行われた無料の食料配給支援で、ジュネーブ大学病院(HUG)と国境なき医師団(MSF)が集まった532人に聞き取り調査を行った。
回答者の75%が女性。また全体の52%が有効な滞在許可証を持っていなかった。
調査では、ウイルスの影響がさまざまな理由により、これらの社会集団に過大な影響を与えていることが分かった。ソーシャルディスタンシング(社会的距離)を保つのが難しい環境にいる、検査や治療を受けにくいーなどが主な理由だという。
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回答者の半数近くが、1部屋に2人以上の環境で生活していると回答。約11%は4人以上で1つの部屋を共有していると答え、社会的距離が取りづらい状況にいることが分かった。
健康保険加入は4割弱
一方、加入が義務付けられている健康保険(基礎医療保険)に入っているのは40%にとどまった。有効な滞在許可証がない人では、この割合が10%未満に下がった。無保険、生活苦が理由で医者に行かないようにしていると答えたのは全体の58.6%に上った。
新型コロナウイルスに感染した人とアパートをシェアしていた人は全体の8.8%で、検査を受けたのはその半数以下だった。
調査の担当者は、こうした結果が「この社会集団がウイルスの影響に強くさらされ、またこの集団の中で伝染が起こっていることを示している」としている。
この調査が行われた日、ジュネーブ州の感染者は全人口の1%だった。ただこれを今回の調査対象に限ると、割合は3.4%に上昇した。
9日の食料配給には1500人超が並び、その1週間前の2日には2500人が集まった。今週末も食料の配給が予定されている。
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