スイスのモルヒネおよび同等の薬の消費量は、実質ゼロとされていた1980年代から増加の一途をたどり、2015年には住民1人当たり400mgまで増加。世界ランキング7位となった。
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スイス連邦最高裁判所は5日、麻薬中毒者にも原則的に障害基礎年金の給付権を与えるという決定を出した。
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最高裁の決定により、医療専門家によって薬物依存症と診断・評価された人は、障害基礎年金給付を受けられる。精神病と薬物依存が実質的に同列で扱われることを意味する。障害基礎年金は加入が義務付けられており、病気や事故で障害を負った人の治療などに必要な費用を支給する。
最高裁の決定は既存の医学的知識を精査した結果に基づくとしている。
今回の決定は過去の判例を覆す内容だ。これまで薬物依存は個人の責任とみなされ、薬物の投与をやめることで治療が可能だとしていた。このため薬物依存の人が障害基礎年金給付を受けられるのは、中毒が病気や事故を引き起こした場合、または依存が何らかの病気の結果として生じた場合に限られていた。
他の多くの精神障害と同様、障害基礎年金が支給されるかどうかは、医学的な診断にかかわらず、フルタイムまたはパートタイムで適切な生産活動を続けられるかという構造的評価に基づき判断される。
給付を受けるためには、適切な治療などで依存の緩和を続ける必要がある。本人が拒否すれば、給付は取り消される。
今回の決定は、ある薬物依存症の男性が、障害基礎年金の給付を受けられないことを不服として申し立てた訴えに基づくもの。男性はベンゾジアゼピン系抗不安薬とオピオイド鎮痛薬の依存症を抱えていた。裁判所は、精神医学の専門知識に照らして男性のケースを考慮した結果、職務従事能力が欠落しているのは薬物依存症が原因だと結論付けた。
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