道端の空き缶やたばこの吸い殻はどの国でもみられる風景だ。スイスのような小さな国でも、積み重なれば環境に与える影響は大きい。
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急いでいるとき、リサイクル用のペットボトル回収箱や灰皿を探して歩くのは回り道のように感じる。電車やバスに乗って行ける場所に飛行機で向かうような弾丸旅行などもそんな状況だろう。
では、人口850万人のスイスで全員が省エネ・省資源のために以下の行動をとったら、どれだけの結果をもたらすだろうか?
缶ジュース
飲料缶1本をリサイクルすることで、テレビを4時間稼働させるのに必要なエネルギーを節約できる。国際環境団体エブリー・キャン・カウント外部リンク(全ての缶に意味がある)によると、もし全スイス人が1人1つずつ空き缶をリサイクルすれば、テレビ1700万台で2時間の映画を観賞できる。
ペットボトル
全スイス人がペットボトル1本をリサイクルすると、90万7千台のノートパソコンを各50時間動かす電力が節約できる。環境団体ペット・リサイクリング外部リンクの委託を受けたカーボテックが試算した。現在、スイスのペットボトルのリサイクル率は83%で、改善の余地がある。
BYOB(Bring Your Own Beverage=飲み物を持参)
500mlのペットボトルに入った飲み物を買わずに持参すれば、使い捨てボトルの製造に必要な106万リットル超の油を節約できる。原油6682バレルに相当する量だ。ペットボトルの製造に容量の4分の1相当の原油が必要というパシフィックインスティトゥート外部リンクの試算に基づく。
吸い殻
喫煙者は(環境に優しい)トラムや電車に乗り遅れないように吸い殻を道にポイ捨てしたことがあるか、胸に手を当てて考えてみよう。スイスの15歳以上の27.1%が喫煙するが、彼らが毎日1人1本ポイ捨てすると、195万本の吸い殻が公共の場を汚すことになる。アイルランド外部リンクとカリフォルニア外部リンクの清掃団体によると、その清掃には1460万リットルの水が必要だ。
飛行機
スイスの排出権取引財団マイ・クライメート外部リンクによると、例えばチューリヒ・ローマ間(約1400キロ)のような短距離を飛行機で移動すると、往復で300万トンを超えるニ酸化炭素(CO2)が排出される。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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