ローザンヌの電話ボックス(2017年撮影)。電話ボックスの役目を終え、古本の交換場所に生まれ変わった
Keystone
スイス北部バーデンにある国内最後の公衆電話ボックスが、28日撤去された。今後はベルン市内の博物館で展示される。
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かつての通信技術を支えた電話ボックスの時代が終わりを迎えている。以前は街角の至る所にあり、たくさんの愛、涙、そしてたわいもない話を相手に届けた。
通信大手スイスコムは、電話ボックスがベルンの通信博物館外部リンクに展示されることを歓迎。この節目を心にとどめておきたいと述べた。
フランス語圏最後の電話ボックスはジュネーブ湖畔に置かれたもので、10月31日に撤去された。
電話ボックスの歴史
最初の電話ボックスは1881年、チューリヒのフラウミュンスター郵便局に設置された。 1995年にその数はピークを迎え、村や都市で5万8千個を数えた。
1990年代終わりごろから携帯電話が主流になると、電話ボックスは衰退。2004~2016年の間に、電話ボックスを利用した通話数は95%減少した。
2018年、スイスコムは自社の基本サービスの一環として電話ボックスを運営する法的義務が除外された。その時点でボックスの90%は撤去済みだった。
それ以来、ボックスの数は減少を続けた。だがオープンスペースのオフィスでの「待避所」、古本の交換場所、喫煙所など、別の用途に活用されている。庭にボックスを1つ入れると、3500フラン(約38万5千円)と運搬費がかかる。
バーゼル駅の電話ボックス (Claude Giger)
Claude Giger
シャレー内の電話ボックス。建築家のギオン・A・カミナダが設計。グラウビュンデン州ヴリン村 (Flurin Bertschinger/Ex-Press)
Flurin Bertschinger/Ex-Press
生垣からにょきっ。ルツェルンの電話ボックス (Urs Keller/Ex-Press)
Urs Keller/Ex-Press
入れません…ラ・ショー・ド・フォン(左)とルツェルン(右)で撮影 (Keystone)
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チューリヒのストリートパレードを見る絶好の場所。それは電話ボックスだ (Christian Nilson/13 Photo)
Christian Nilson / 13 Photo
なんともロマンチック。グラウビュンデン州セントで撮影 (Martin Rütschi/Keystone)
Martin Rütschi/Keystone
入り口を間違えませんように(Elisabetha Günthardt/Keystone)
Elisabetha Günthardt/Keystone
僻地の電話ボックス。ティチーノ州パラグネドラで撮影。1年に数回しか使われなかったという (Gaetan Bally/Keystone)
Gaetan Bally/Keystone
物置として使われることも。バーゼルのファスナハト(カーニバル)で (Georgios Kefalas/Keystone)
Georgios Kefalas/Keystone
ティチーノ州マッサニョの郵便局にある公衆電話
Martin Rütschi/Keystone
夜道にぽつん。ベルンのエフィンガー通りの電話ボックス (Gaetan Bally/Keystone)
Gaetan Bally/Keystone
おしゃれな公衆電話。電子電話帳も付いている。チューリヒで撮影(Gaetan Bally/Keystone)
Gaetan Bally/Keystone
首都ベルンの連邦議会議事堂内にある公衆電話ボックス。ボックスの中で携帯電話を使って話し中の議員 (Peter Klaunzer/Keystone)
Peter Klaunzer/Keystone
ティチーノ州カステル・サン・ピエトロの電話ボックス。今は古本の交換場所になっている (Gabriele Putzu/Ti-Press)
Gabriele Putzu/Ti-Press
電話ボックスのドアを、温室菜園に再利用。ジュラ州レ・ボワで(Sandro Campardo/Keystone)
Sandro Campardo/Keystone
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