スイスの視点を10言語で

首都で抗議デモ ワクチンパス提示範囲拡大で

ベルンの抗議デモ
連邦議事堂前の抗議活動は、午後9時まで行われた Keystone / Marcel Bieri

スイスの首都ベルンで8日、新型コロナウイルスの「COVID証明書」提示範囲拡大に抗議するデモが行われ、1千人以上が参加した。

デモ隊は、政府による実質上の新型コロナウイルスワクチン接種の強制だと訴えた。

スイス連邦政府は8日、13日からレストラン、文化イベント、レジャー施設など屋内公共スペースに入る際の「COVID証明書」提示を義務付ける措置を発表。導入を巡っては発表前から一部メディアなどで報じられていた。

おすすめの記事
covid certificate on phone

おすすめの記事

スイス、ワクチンパス義務をレストランにも拡大

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は8日、ワクチン接種や陰性を示す「COVID証明書」を13日からレストランや美術館、フィットネスセンターなど屋内の公共スペースに拡大することを決めた。

もっと読む スイス、ワクチンパス義務をレストランにも拡大

対象は16歳以上の個人。適用は来年1月24日まで。スイスのCOVID証明書はワクチン接種、回復(り患済み)、陰性のいずれかに該当する人に発行される。

抗議デモは、政府のコロナ対策に反発してきた複数団体が主催。ソーシャルメディア上で参加を呼び掛けた。

デモ隊はスイス国旗・州旗を掲げ市内中心部を行進。COVID証明書やワクチン接種に抗議する横断幕も掲げる人もいた。

州警察は公式ツイッターアカウント外部リンクで「デモの際のあらゆる挑発行為に関連した」数人を職務質問したと発表した。9つのケースでは退去が命じられた。デモは午後9時までに終了した。

正当化

一方、スイスの保健行政を管轄するアラン・ベルセ内相は複数のインタビューで、証明書の提示範囲拡大を擁護している。

同氏は、スイスではウイルスが広く流行し、新規感染者が1日約3千500人と高い罹患率を引き起こしている点を強調した。

8日夜にはドイツ語圏のスイス公共放送SRFの番組外部リンクに出演し、「医療機関が過重負担に陥る危険性が現実のものとなってきている」とし、「証明書提示の代替策は何カ月間もの施設閉鎖になるだろう。証明書は問題ではなく、解決策だ。そうして私たちは自由を取り戻すことができる」と述べた。


おすすめの記事
ワクチン

おすすめの記事

スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。

もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし

最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

牧草をはむ牛

おすすめの記事

スイス、PFASの規制強化を検討

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。

もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
ツークの街並み

おすすめの記事

スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ

このコンテンツが公開されたのは、 世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。

もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
鏡を見るバレエダンサー

おすすめの記事

ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。

もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
自転車で遊ぶ子ども

おすすめの記事

スイス政府、国際養子縁組を禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。

もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
生殖治療の画像

おすすめの記事

スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。

もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
研究施設で働くマスク姿の人

おすすめの記事

スイスに感染症情報解析センター発足

このコンテンツが公開されたのは、 感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。

もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部