女性執行役員の割合は民間より公共セクターの方が「好成績」だ
Keystone / Martin Ruetschi
スイス国内企業の取締役会に占める女性役員の割合が昨年、わずかに上昇したことが最新の調査で分かった。ただほかの欧州連合(EU)諸国に比べると遅れを取っている。
このコンテンツが公開されたのは、
人事コンサルタント会社「シリング」が7日発表した年次報告書外部リンクによると、スイス国内企業の取締役会に占める女性役員の割合は昨年、7%から9%に微増した。2017年の1%減から転じ、過去最高という。
2006年に比べ倍増したものの、上昇のスピードは遅い。この傾向が続いても2022年には12%にとどまる見通しという。
企業トップの座に長期間留まる女性はそれほど多くない。男性の在任期間が6.7年なのに対して女性はその半分の3.6年だ。
原因の一つは、女性が企業内の「サービス」部門でリーダーシップを取る傾向にあるという点だ。コミュニケーション、法務、コンプライアンス部門などで、構造的に取締役会で重要な位置づけにならないという。
逆に男女比のバランスが優れているのが公共セクターだ。同年新たにマネジメント層に就いた人の38%が女性で、民間の18%を大きく上回る。報告書では、公共セクターの方がワークライフバランスが良いため、としている。
欧州諸国ではスウェーデンやフィンランドがこの分野をけん引。取締役会の女性比が35%に達している。
報告書は、スイス国内の大手企業117社、連邦政府、26州政府を対象に調査し、結果を分析した。
おすすめの記事
スイス、PFASの規制強化を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。
もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
このコンテンツが公開されたのは、
ローザンヌ国際バレエコンクールの最終選考が8日に行われ、韓国のパク・ユンジェさんが優勝。群馬出身の安海真之介さんが3位で入賞した。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
続きを読む
おすすめの記事
スイスのパートタイム勤務、働く母親には「もろ刃の剣」
このコンテンツが公開されたのは、
正社員でもパートタイム勤務が一般的なスイスでは、働く母親の多くがパートタイムで働く。この働き方にはメリットも大きいが、問題点もある。女性がキャリアを積めなければ国も発展できないと、働く女性への偏見を取り払うよう求める声が強まっている。
もっと読む スイスのパートタイム勤務、働く母親には「もろ刃の剣」
おすすめの記事
50年前に投票権を求め行進した女性たち
このコンテンツが公開されたのは、
今から50年前、スイス連邦政府機関の前で1時間にわたり騒音を立て男女同権を求める行進は、立派な歴史の一幕として記録に残っている。
もっと読む 50年前に投票権を求め行進した女性たち
おすすめの記事
スイス男女間の賃金格差 わずかに拡大
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの男女間の賃金格差がわずかに拡大し、毎月平均して数百フランの差が出ていることがわかった。連邦統計局が先月29日、男女間の賃金格差に関するレポートで明らかにした。
もっと読む スイス男女間の賃金格差 わずかに拡大
おすすめの記事
セクハラ問題、スイス大手企業は依然としてタブー
このコンテンツが公開されたのは、
性被害を告発する「#MeToo(「私も」の意)」運動が世界各地に広がった1年前、上層部が優れた指導力をみせた企業がいくつかあった。多国籍企業のイケア・スイスもその一つで、社内行動規範の周知徹底を図り、セクハラがあった場合はそれをオープンにし、独自の主体的プログラムで対応した。
もっと読む セクハラ問題、スイス大手企業は依然としてタブー
おすすめの記事
男性に育児休業がないスイス、制度導入を巡り議論が活発化
このコンテンツが公開されたのは、
スイスではここ数年、育児休業を巡り激しい議論が繰り広げられているが、実を結んだことはほとんどない。2005年に14週間の産休がかろうじて導入されただけだ。現在は父親の育児休業に関して様々な提案が議論されている。
もっと読む 男性に育児休業がないスイス、制度導入を巡り議論が活発化
おすすめの記事
女性が男性より左派政党を好むのはどうしてなのか
このコンテンツが公開されたのは、
今年5月初め、男女別の投票行動に関する大規模な調査結果が各国メディアをにぎわせた。調査によると、女性は男性に比べ、より左派に票を投じる傾向が見られた。特にスウェーデン、ノルウェー、オランダで以前から見られる傾向だが、スイスでも2015年末の総選挙で似たような現象が起きた。
もっと読む 女性が男性より左派政党を好むのはどうしてなのか
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。