ロックダウン(都市封鎖)解除でマスク姿が街にあふれるかと思いきや…
Keystone / Alexander Becher
スイスで新型コロナウイルス危機を受けたロックダウン(都市封鎖)の解除が進むなか、人々の外出が増える一方でマスクの着用が広がらない。マスクで完全に感染を防げることはないが、リスクは減らせる。なぜスイス人はマスクを着けたがらないのか?
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2020/05/12 16:00
公共スペースでマスクを着用すべきかどうか―この数週間、スイスで活発に議論されている テーマだ。政府や専門家は着用の義務付けに否定的だが、11日にすべての商業店が再開したことで議論に拍車がかかっている。
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質問 :外出するときマスクを着けますか?マスク着用の是非を巡るスイスの論争をどう思いますか?
激論が繰り広げられている割には、スイスの街中でマスクを着けている人は少ない。理由の一つはマスク不足だ。4月27日以降、ようやく小売店でマスクを買えるようになったが、かなり高額だ。
だがもっと大きな背景は、スイス人のマスクそのものに対する考え方にある。マスク着用が当たり前の国から来た人は、スイスがなぜここまでマスクを嫌うのか理解に苦しむかもしれない。
swissinfo.chが読者に行ったミニ・アンケート調査から、その理由を探ってみよう。
慣れていない
一つは単純にスイス人はマスク着用に慣れていないということがある。アジアの一部の国は約20年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行し、マスクの着用が一般的になった。新型コロナウイルスが流行する前、スイスの街中では誰もマスクを着けていなかった。今でさえ、マスクを着けると慎重すぎる、自己防衛に走りすぎていると思われがちだ。言い換えれば、マスクを着けている人は他人ではなく自分を守りたいだけだと思われる。
誰得?
習慣を変えるにはそれだけ根拠や意義づけが必要だ。だがアンケートでは、マスクの効果に懐疑的な声が多く聞かれた。フェイスブックには、「(マスク着用は)逆効果だという記事も読んだし、もう何が正しいのか分からない」との意見が寄せられた。「マスクを着けると息が苦しい」という声もあった。
勧告に従順
政府や企業は、公共交通機関や美容室など2メートルの距離を保つことが難しい場所ではマスク着用を推奨している。その結果、多くの人は「勧告を守るがそれ以上はやらない」姿勢だ。複数の読者が、国民がソーシャルディスタンシング(社会的距離)や衛生ルールを守ればマスクは必ずしも必要ないとのコメントを寄せた。
環境のため
環境への配慮もみられた。ある読者は「手袋やマスクがゴミ箱にあふれるでしょう。それで考えてしまう。誰にもいいことが無い。特に地球には」
健康な気がする
アンケートでは、多くの人が「自分は健康だと思うから」または「既に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかり回復したから」マスクをしないと答えた。だが実際は、COVID-19にかかった後の免疫力や無症状の感染者がどの程度周囲にうつすのかなど、明らかになっていない面がある。
マスク着用に関してはスイス連邦保健庁のサイトにも多くのQ&A外部リンク が掲載されている。
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(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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