英ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は10日、スイス・ローザンヌ出身の著名指揮者で、楽団の芸術監督と首席指揮者を務めてきたシャルル・デュトワ氏(81)の退任を発表した。同氏を巡っては昨年12月、過去に複数の女性らにセクハラ行為を働いていたとの疑惑が報じられていた。
このコンテンツが公開されたのは、
デュトワ氏は2019年10月に退任予定だったが、楽団は今回の疑惑を受けて緊急会議を開き、デュトワ氏と面談した上で退任の前倒しを決めた。
楽団は声明で「デュトワ氏は(セクハラ疑惑に対し)今後法的措置を講じるとしているが、不確定な状況が長引いていること、またメディアの報道によって、この楽団における彼の地位をこれ以上擁護できない」とした。
楽団は昨年12月末、デュトワ氏の公演見合わせを発表。後任は当面の間、楽団の客演指揮者が務める。
本人は否定
デュトワ氏を巡っては昨年12月、女性オペラ歌手3人と女性音楽家1人が、1985年から2010年の間に米国でデュトワ氏からセクハラを受けたと訴えた。女性らによると、デュトワ氏は女性たちに無理やりキスをし、口の中に舌を入れたとされる。このセクハラ疑惑が報じられたことを受け、米国やオーストラリアの複数の交響楽団が同氏との公演を見合わせた。
一方、デュトワ氏はセクハラ疑惑を否定。女性らに対する法的措置を講じるとしている。
デュトワ氏はスイス国内をはじめ世界各地のオーケストラを指揮し、国際的な賞も受賞している。現在はカナダ在住。同氏はNHK交響楽団外部リンクの名誉音楽監督も務めており、N響は「大変驚き、深刻に受け止めている」とのコメントを出した。
おすすめの記事
おすすめの記事
セクハラにあったらどうするか
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの職場でセクハラにあったらどうすればいいだろうか?どのような現実的支援や法的手段が存在し、どの程度の効果があるのだろう?スイスインフォは、職場のセクハラに関する社員の権利と会社側の責任について、キーポイントをまとめた。
もっと読む セクハラにあったらどうするか
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
続きを読む
おすすめの記事
スイスの国会議員が議員辞職へ ストーカー行為、セクハラ問題で批判
このコンテンツが公開されたのは、
キリスト教民主党(CVP/PDC)の副党首で国民議会議員のヤニク・ビュッテ氏(40)が元恋人の女性に対して付きまとい行為をしたとして警察に摘発された。党は30日、同氏の副党首職を停職処分とした。
もっと読む スイスの国会議員が議員辞職へ ストーカー行為、セクハラ問題で批判
おすすめの記事
スイス・カトリック教会 セクハラへの取り組みは道半ば
このコンテンツが公開されたのは、
2010年以降、スイスのカトリック教会で起きたセクハラ事件の数は、報告されたものだけで250件にものぼる。このなかには、成人に対するものが相当数含まれることが明らかになった。
もっと読む スイス・カトリック教会 セクハラへの取り組みは道半ば
おすすめの記事
スイスの2017年を振り返る
このコンテンツが公開されたのは、
2017年は活気ある年だった。技術が経済に新たな動きをもたらし、高い気温は自然界の調和を乱し、国は相次ぐセクハラ事件の対応に追われた。唯一静かだったのが政治だ。重要な課題は遅々として進まなかった。
もっと読む スイスの2017年を振り返る
おすすめの記事
スイス 女性3人に1人がセクハラに悩む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでセクハラ調査が行われたのは今回が初めて。 男女共通の悩み 調査では職場におけるセクハラを、ほかの人が嫌がる行為で、言葉、身振り、行動などで相手の品格を傷つけるような行為と定義した。セクハラは個人やグループに対し…
もっと読む スイス 女性3人に1人がセクハラに悩む
おすすめの記事
インターネットで変わりゆくスイスの恋愛事情
このコンテンツが公開されたのは、
特に、離婚などを経験した「第2のシングル」にとって、インターネットでの出会いは大きなメリットがあると専門家はみる。 スイスでは近年、出会い系サイトの市場拡大が目覚ましい。宣伝も大々的に行われ、ゴールデンタイムに流れるテ…
もっと読む インターネットで変わりゆくスイスの恋愛事情
おすすめの記事
スポーツ選手に、身も心も
このコンテンツが公開されたのは、
「選手はファンに毅然 ( きぜん ) とした距離ある対応が求められる」。サッカーにおける性問題を研究する「スイス開発アカデミー ( Swiss Academy for Development ) 」のマリアンネ・マイヤー…
もっと読む スポーツ選手に、身も心も
おすすめの記事
スポーツ界のセクハラ
このコンテンツが公開されたのは、
最近、スポーツの場で青少年がセクハラの対象になっていることが問題として取り上げられるようになった。キャンペーンはスイス政府とスイス・オリンピック協会が中心となっている。 青少年が参加するスポーツクラブでのセクハラの犠牲者…
もっと読む スポーツ界のセクハラ
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。