M6の地震、スイスでも2040年までに起こり得る
イタリアで24日に起きた地震を受け、スイスの地震学者は「スイスでも今後、2040年までにマグニチュード(M)6程度の地震が起こり得る」と警鐘を鳴らした。
「今後、スイスも油断はできない」と連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)・スイス地震サービスのシュテファン・ヴィーマー局長は、イタリアで地震が起きた日の翌日、スイス公共放送の番組でこう語った。
「イタリアと同様、スイスも二つのプレートの境界に位置している。そのため、地震が起こるリスクはイタリアと同じだ」
ヴィーマー局長によれば、スイスでは過去70年の間、大型の地震はなかったという。「ETHZでは、年に500から700回の小型の地震を観測している。イタリアで起きたようなM6の地震は、50年、100年、または150年ごとにしか発生しないものだ。過去3、40年間、スイスは比較的穏やかな時期を過ごしている。しかし今後、これが続くことはない」
ヴァレー州とバーゼル州、高いリスク
一方、ヴァレー州の地質学者ラファエル・マヨナ氏は、地震が起こるリスクはヴァレー州とバーゼル州で高いと指摘する。
氏によれば、1946年にヴァレー州・シエール付近でM6.1の地震が起き、4人の死者が出た。「当時、ローヌ渓谷一帯の人口は少なく、死者は4人で済んだ。だが現在の人口密度を考えると、被害はもっと大きいだろう」
そしてマヨナ氏は「今から2040年までに、同じぐらい大きな地震が起きるだろう」と付け加える。
こうしたマヨナ氏の警告をヴァレー州当局は深刻に受けとめている。2004年に、州は州民に対し耐震基準に添って建物を建設する義務付けを行い、さらに地震が起きた際の行動などについての教育を実施している。
安全対策は?
ヴィーマー局長によれば、地震の被害は洪水のそれに匹敵するという。「しかし、スイス国民は洪水の被害は深刻に受け止めるが、地震の被害についてはあまり考えていない。それは、この国では地震が比較的少ないからだ。しかし、地震は必ず起こる」
ただ、局長はスイスの安全対策に関してこう括っている。「スイスでは、地震に対する安全対策がほぼ完備していると思う。過去20年間に、多くの対策を実施してきたからだ。特に建物の耐震基準をさらに高く設定した。だが、まだ多くのやり残しがあるという事実は、否定できない」
大丈夫と思っていたスイスでも2040年までに、地震が起こり得ると地震学者が警鐘を鳴らしています。皆様の御意見をお寄せください。
(仏語からの翻訳&編集・里信邦子)
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