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欧州航空会社、中国発着便の欠航を延期

Man on his own in a plane
2020年2月1日、カンボジアから広東省に向かう飛行機の中。座席はガラガラだ Keystone

スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)と親会社ルフトハンザは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国発着便の運航停止を延長すると発表した。

欠航は今月9日までの予定だったが、ルフトハンザは3日、ルフトハンザ、SWISS、オーストリア航空の北京・上海発着便を2月29日まで欠航すると発表外部リンクした。

ルフトハンザは「南京、瀋陽、青島へのフライトは、3月28日の冬季時刻表の終わりまで行わない。香港発着便は予定通り運航する」としている。

中国は3日、一部の国がコロ​​ナウイルスが発生した湖北省からの入国者を拒否していること、また航空会社のフライトキャンセルが相次いでいる事態は、過度の措置は必要ないとした世界保健機関(WHO)の勧告に反すると批判した。

中国の代表団は1月22~27日、ジュネーブで開かれたWHOの執行理事会で、国際社会はこの新型ウイルスを客観的かつ公正に扱う必要があり、一般市民の間で「故意にパニックを引き起こす」べきではないと訴えた。

国際的な孤立

中国は、国内発着便の制限、中国からの入国禁止措置により、国際的な孤立が強まっている。

WHOのテドロス事務局長は3日、中国国内の死者は361人、感染者は1万7238人に上ったと発表。世界では23カ国で151人が感染、フィリピンでは2日に死亡者が1人確認されたと述べた。

テドロス事務局長は、ウイルスの感染拡大策として「渡航や貿易を不必要に妨げる措置は必要ない」と強調した。

テドロス事務局長はWHOの執行理事会で「すべての国に対し、根拠に基づいた一貫性のある決定を実施するよう呼びかける」と、国際緊急事態を宣言した際と同様の内容を繰り返した。

ホットライン

3日夕時点で、スイス国内ではウイルスによる感染例は確認されていない。チューリヒ警察によると、ニューヨークからチューリヒへの飛行中にコロナウイルス感染が疑われたケースは、季節性インフルエンザだったことが判明した。

この飛行機はチューリヒで数時間隔離されたのち、乗客の降機が認められた。

連邦内務省保健局は、国民向けの情報窓口ホットラインを設置。運営する民間企業メドゲートによると、4日間で約1千件の電話があった。2009年、豚インフルエンザが大流行した際に設置したホットラインは、最初の数日間で約3千件の相談があったという。



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