4日、スイス南部ヴァレー(ヴァリス州)のテーシュ~ツェルマット間で発生した雪崩。鉄道は屋根付きの線路のおかげで難を逃れた
Air Zermatt
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2018/01/10 11:50
スイス南部、ヴァレー(ヴァリス)州ツェルマットの人気スキーリゾートが大雪の影響で交通網が遮断され、孤立状態に陥っている。一時は最高レベルの雪崩警報が発令されるなど、警戒が続いている。
>>(11日更新)交通機関、徐々に復旧
ツェルマットはマッターホルン観光の拠点としても知られる村。大雪と雪崩警報のため、スキーリゾート地へ続く道路は8日朝から通行止めとなり、ツェルマット行きの列車も8日夕方から運休している。
現地では約1万3千人の観光客が足止めされているとみられる。観光地のツェルマットは1万3400床の宿泊施設(ホテルが7200床、アパートが6200床)がある。
現時点で避難者は出ていないが、地元の関係機関が30分ごとに状況を確認している。停電の恐れもあるという。以下の映像は9日のツェルマットの様子。
9日午後には緊急用のヘリコプターが現地に到着。ツェルマットに続くフィスプ~テーシュ間の道路は同日午後に通行止めが解除されたが、リゾート地域へのアクセスは不通のまま。
連邦森林降雪国土研究所外部リンク は8日、ツェルマットを含むヴァレー州の一部地域に2009年以来となる最高レベル5の雪崩警報を発令。警報は9日夜にレベル4に引き下げられた。
SLF
同研究所は、昨年末のクリスマスシーズンに降った大量の雪の上に新雪が降り積もることで「大規模な雪崩が頻発する恐れがある」と警戒。安全のため9日に人工雪崩を起こす措置が取られ、10日も行う予定。天候は改善に向かうとみられる。
同州では、他のスキーリゾートにも影響が出ている。サース・フェーのリゾートでは、拠点の村からの道路が通行止めになっており、観光客約1800人が足止めされている。道路は10日にも通行止めが解除される見通し。アローラ、フィスペルターミネン、シンプロンなどの一部地域でも大雪の影響でアクセスが不通となっている。シンプロン周辺では24時間の降雪量が2メートルに上った。
スイス公共放送(SRF)は9日、ツェルマットから約30キロメートル離れたフィスプの町で泥と雪の堆積物が流れ込む被害が発生し、住民20人が避難したと報じた。けが人はいなかった。
イタリア国境のゴンド村でも8日に土砂災害が発生、交通網が寸断されている。この村では2000年、土砂崩れで13人が死亡する被害が起きている。
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スイス南部ヴァレー(ヴァリス)州で4日、雪崩が発生。被害の様子を空撮写真がとらえた。
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(英語からの翻訳・宇田薫)
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ルツェルン応用科学芸術大学がまとめた「スイスにおけるリフト業界の経営状況(2013・14年版)」によると、スイス国内のリフト運営会社のうち3分の2が助成金頼りの経営を余儀なくされている。
その原因の一つが暖冬による影響。特に標高の低いスキー場にとって深刻だ。また、スキー人口の減少に加え外国との競合もある。スイスの物価高に辟易(へきえき)した観光客が近隣諸国のスキーリゾートに流れているのだ。
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氷河の南端にあたる同州のリーダーアルプの村からゴンドラリフトで上がると、モースフルー展望台(2333メートル)に着く。展望台に立つと、アレッチ氷河の息をのむ美しさが眼前に広がる。グレーと白色が織り交ざった氷の河が、雄大なアルプスの山あいを縫うように流れる。
年配の日本人夫婦の観光客がベンチに座り、弁当を広げて景観を楽しんでいた。男性は「ここに来るのはこの17年間で3回目になるが、来るたびに氷河の様子が少しずつ変わっている。以前より河の幅が狭くなったし、氷の厚さもずいぶん減った。それでもやはり美しいけれど」と話す。
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