Tel143はスイス国内12地域を拠点に、合計640人のボランティアが24時間体制で対応している
Keystone
昨年、スイスのホットライン「Tel143 - 支援の手」が応じた心の問題や個人的な悩みに関する相談件数はおよそ10%増加した。
このコンテンツが公開されたのは、
2019/02/07 06:30
電話番号143にかければ匿名相談できる「Tel143 - 支援の手外部リンク 」は4日、2018年の電話による相談件数は24万1359件で、一年で8.6%増加したと報告した。インターネット上のEメールやライブチャットによる相談件数も11.8%の増加をみせた。
Tel143はスイス国内12地域を拠点に、合計640人のボランティアが24時間体制で対応している。同団体によると、ドイツ語圏で対応強化を図ったところ電話による相談件数が12%増加した。
性別にみると、男性の相談件数はわずかに減少し全体の31.6%を占めたが、男女比は3対7の割合で過去数年と比較して変化はなかった。
年齢層でみると、「中年層かそれ以上」の年齢層からの相談が多い。18歳以下の相談は1%以下で、65歳以上は20%に留まった。
電話相談の理由では「心の問題」が25.8%で最も多かった。その次に「日々の問題」(22%)、「人間関係」(17%)、「孤独」(10%)と続いた。全相談連絡のおよそ80%はすでに過去、相談の経験があった。
インターネットを使った相談件数は6884件で、若年層によるものがほとんどを占めた。40歳以上は全体の10%だった。相談内容の7%は自殺についてだった。
Tel143は非営利団体。団体名は言語圏ごとに訳され、フランス語圏では「Tel143 – La Main Tendue」、ドイツ語圏では「Tel143 – Die Dargebotene Hand」と呼ばれている。運営費の60%は公衆による寄付でまかなわれ、心の問題に関する相談にボランティアが24時間体制で対応している。
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/18
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/16
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
おすすめの記事
医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/13
大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。
もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
おすすめの記事
スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/12
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。
もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/06
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイスのドライバー、2割が飲酒運転
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/04
欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。
もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
おすすめの記事
狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/04
先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。
もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/03
今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
おすすめの記事
スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/03
スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。
もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
おすすめの記事
スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
このコンテンツが公開されたのは、
2024/11/29
スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。
もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
続きを読む
次
前
おすすめの記事
スイスの自殺防止策
このコンテンツが公開されたのは、
2018/09/10
スイスではさまざまな自殺防止策が取られているが、それぞれが十分に連携しているとは言いがたい。連邦政府は10日の世界自殺予防デーにあわせ、改善策を打ち出した。
もっと読む スイスの自殺防止策
おすすめの記事
農家の自殺者数、平均より4割多く 将来不安で
このコンテンツが公開されたのは、
2018/11/13
スイス人農家の自殺者数はその他の男性平均に比べ4割近く高い。背景には将来や金銭不安がある。ドイツ語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングによると、1991~2014年の間に447人の農家が自殺したことが分かった。スイス連邦科学基金(SNSF)の助成を受けベルン大が農家9千人のデータをまとめた。
もっと読む 農家の自殺者数、平均より4割多く 将来不安で
おすすめの記事
高齢、重病、無力感 それでも生きていくのか?
このコンテンツが公開されたのは、
2016/07/11
死期を自分できめることは正しいのか?もしそうだとしたら、そのことが高齢者に対して「早く人生を終えるように」と無言の圧力をかけてしまわないか?この二つの問いをめぐり、今スイスでは自殺ほう助についての議論が再燃している。自…
もっと読む 高齢、重病、無力感 それでも生きていくのか?
おすすめの記事
いじめ問題 命を救うために
このコンテンツが公開されたのは、
2016/03/30
「なんでここにいるんだよ。邪魔なんだよ。死んじゃえ」。こんなひどい言葉を投げつけられれば、人は深く傷つく。ロアーヌ・ゴステリさんはこんな言葉を学校で聞かされ続けてきた。侮辱、からかい、脅し。ジュラ州の小さな村の学校生活…
もっと読む いじめ問題 命を救うために
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。