子どもの人身売買反対に9万5000人以上が署名
6月9日、スイス児童保護基金 ( Stiftung Kinderschutz Schweiz ) と女性の人身売買・移民センター ( FIZ ) が、スイス政府及び各州に対し、性的虐待目的の児童人身売買の根絶に向けた対策強化を求める請願書を提出した。
請願書は、人身売買の対象となった児童および青少年を、犯罪者ではなく犠牲者として扱うべきだと要求。スイス国内で9万5297人が署名した。
児童に対する性的虐待行為は世界的な問題であり、国連児童基金 ( ユニセフ / UNICEF ) によると、毎年120万人の子どもが性的虐待目的の人身売買の犠牲となっている。
犠牲者をスイスで保護
署名活動を行った団体は請願書提出の際に発表したプレスリリースで具体策を示し、人身売買の犠牲者を見つけ出して保護する窓口の資金状況の改善や、これらの窓口と当局との協力体制の改善の必要性を訴えた。
さらに、人身売買の犠牲者をスイスで保護するために、子どもたちには無条件で滞在許可を与えるべきだと主張する。そのほかにも、欧州議会が定める性的搾取・虐待から子どもを守るための条約の早期批准を求める。
後進国スイス
連邦議会は1年前に、同条約の調印を公約した。批准され国内法制度が整えば、対価を支払って18歳以下の青少年と性的関係を持つことは犯罪とみなされることになる。現在の保護対象年齢は16歳以下だ。
今回の請願書は、イギリスの化粧品会社ボディショップ ( Body Shop ) が始めた国際キャンペーンの一環で提出された。スイスではスイス児童保護協会と女性の人身売買と移民センター ( FIZ ) がこのキャンペーンに協力。全世界では、日本も含めすでに600万人以上がこのような請願書に署名をしている。
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。