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スイス人女性の8人に1人が強姦の経験あり

プラカードを掲げて路上に立つ女性たち
ローザンヌでは2017年、セクハラ・性的暴力に対する抗議運動が起こった © Keystone/laurent Gillieron

スイス人女性の8人に1人が強姦を受けた経験があることが、アムネスティ・スイスが21日公表した調査で分かった。これまで考えられていたよりも多い割合だ。

世論調査会社gfs.bernがアムネスティ外部リンクの委託を受け実施。16歳以上の女性の22%が合意のない性的行為を受け、約8分の1に当たる12%が性交渉を強いられたことがあると答えた。有効回答数は4495人。

アムネスティ・スイスのマノン・シック代表は「ショッキングな調査結果だ。警察に届け出られた被害は氷山の一角でしかないことが分かった」と話した。

被害を受けた女性の約半数が誰にも打ち明けなかった。警察に届け出たのは8%にとどまった。

また回答者の6割は体に触れる、ハグ、キスなどのセクハラ行為を受けたことがあると答えた。

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法制度

昨年、強制わいせつ・強姦を含む性的暴力を受けたとして警察に届け出られた被害は1291件に上った。だが届け出のない被害は多く、スイスでは性犯罪が野放しになっている。

スイスの法律では▽加害者による行為の強制▽被害者の抵抗―の2点があった場合のみ強姦罪が成立する。だがスイスが昨年批准した、女性への暴力・家庭内暴力防止を目指すイスタンブール条約外部リンクは、「同意がない」ことを強姦罪、その他の性犯罪の構成要件の基礎とするようはっきりと求めている。

アムネスティはカリン・ケラー・ズッター司法警察相に対し、同意のないあらゆる性的行為を処罰対象とするよう求めた請願書を送付した。被害者のケアに関する研修の受講を裁判官や警察、弁護士に義務付けることも要請した。

性犯罪に詳しい法学者のノラ・シャイデッガー氏は「スイスは性犯罪に関する法整備が遅れており、抜本的に改革する必要がある」と指摘する。

アムネスティは性犯罪がスイスの司法制度でどう扱われているかを調べるため、体系的なデータ収集や研究を行うことも要請した。

スイス国民議会(下院)は昨秋、性犯罪の厳罰化に関するローレンス・フェールマン・リエレ議員(社会民主党)の動議外部リンクを可決。現在の刑法上の強姦は、加害者が男性、被害者が女性の場合のみに限られているが、動議ではこの性別要件を取り払い、性的マイノリティであるLGBTの被害者も同等に保護するよう求めた。法改正には全州議会(上院)も可決することが必要だ。 

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