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スイス、「貧しく」なっても依然ランキングトップに

チューリヒの通行人、2009年 Keystone

スイス金融大手のクレディ・スイスは22日、世界の富を包括的に調査分析した「2016年グローバル・ウェルス・レポート」を発表。スイスの成人1人当たりの富の平均額が56万1900ドル(約6千200万円)と、世界最高額であることを明らかにした。スイスは16年連続でトップの座を維持している。

 今回で第7版となる同レポートのランキングでは、1位のスイスに、オーストラリア(37万6千ドル)、米国(34万5千ドル)、ノルウェー(31万2千ドル)が続いた。

 首位となったスイスだが、成人1人当たりの平均額は前年比で約2万7千ドル少なく、また資産総額100万ドル超の富裕層は、2015年の77万4千人から71万6千人に減少した。資産総額が5千万ドル以上の超富裕層はおよそ2千人で、米国、中国、英国、ドイツに続き5位にとどまった。

 00年以降、スイスは富の平均額において世界をけん引してきた存在だ。クレディ・スイス研究所によれば、スイスは12年以来、成人1人当たりの富が毎年50万ドルを超え、これは他の国では達成されていないという。

 また01年からは成人1人当たりの中央値でもトップを維持。現在の中央値は24万4千ドル。

 調査によれば、スイス人は世界の平均的な市民よりも11倍裕福で、成人のほぼ3分の2が10万ドル以上の富を所有している。

スイスフラン

 さらにレポートは、スイスの成人1人当たりにおける富の増加の大半は、01年から13年のスイスフランの対米ドル上昇によるものであると分析。スイスフランをベースとした家計の富は00年から16年にかけて44%増加し、年平均の増加率は2.3%だった。

 またスイスの金融資産は総資産の55%を占め、英国のシェアよりも高く、日本や米国のシェアよりは低くなっている。

 負債は成人1人当たり平均14万3400ドル。世界で最も高い国の1つで、総資産の20%を占めている。


(英語からの翻訳・大野瑠衣子)

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