1945年8月6日、広島への原爆投下で被爆し死亡した子どもが乗っていた三輪車のブロンズ製レプリカが、ジュネーブの国際赤十字博物館に展示された。
このコンテンツが公開されたのは、
レプリカは市民団体の連合体・核兵器廃絶キャンペーン(ICAN)の寄贈品。1945年8月6日、米国が広島に原爆を投下したとき、爆心地から約1.5キロメートルに住む当時3歳の銕谷伸一ちゃんが乗っていた三輪車を忠実に再現したものだ。
伸一ちゃん(当時3歳11カ月)は全身に大けがや大火傷を負い、その夜に死亡。父親の信男さんが、死んでからも遊べるようにと三輪車を遺体と一緒に庭に埋葬した。信男さんは被爆から40年後、遺骨をお墓に納め、三輪車を平和記念資料館に寄贈した。
ブロンズ作品は、藤元明さんとキャノン・ハーシーさんの2人の日米アーティストが制作。ハーシーさんは、原爆投下から9カ月後の広島を訪れ米誌ニューヨーカーにのちに世界的に話題となる記事を出したジョン・ハーシーの孫。
伸一ちゃんの遠縁にあたる長谷部瞳さんはジュネーブで「世界中の子どもたちが三輪車で平和に遊べる日が来ることを願う」と語った。
広島への原爆投下では1945年12月末までに約14万人が亡くなったとされる。生き残った被爆者たちは、いまもなお後遺症に苦しんでいる。
英語からの翻訳:宇田薫
おすすめの記事
核兵器の惨状を伝える国連の原爆資料展 今後も継続
このコンテンツが公開されたのは、
外交官が行き交う国連ジュネーブ事務局のE館入り口の左手には、原爆の生々しさを垣間見ることができる空間がある。核兵器廃絶に向けた切実な思いが託され、広島や長崎からきた原爆資料が展示されている。
もっと読む 核兵器の惨状を伝える国連の原爆資料展 今後も継続
おすすめの記事
おすすめの記事
核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの市民団体「核兵器禁止を求める同盟」は、国連核兵器禁止条約への加盟を求めるイニシアチブ(国民発議)を立ち上げた。必要な署名が集まれば国民投票が実施される。
もっと読む 核兵器禁止条約への加盟求めスイスで署名集め開始
おすすめの記事
スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画が、正式な認可が下りる前から反対運動に直面している。
もっと読む スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
おすすめの記事
ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
このコンテンツが公開されたのは、
ビートルズのジョン・レノンさんが殺害される2カ月前にオノ・ヨーコさんから贈られ、その後盗まれた腕時計について、スイスの連邦最高裁判所はオノさんに時計の完全な所有権があるとの判決を出した。
もっと読む ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
おすすめの記事
スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。
もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
おすすめの記事
2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。
もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
おすすめの記事
CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
このコンテンツが公開されたのは、
今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。
もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
おすすめの記事
女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。
もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
続きを読む
おすすめの記事
広島・原爆の記憶伝える欧州在住の日本人俳優
このコンテンツが公開されたのは、
欧州ドイツ語圏の劇場では唯一の日本人専属俳優、原サチコさん(55)が本業の傍ら、一人舞台とトークセッションで広島の原爆の記憶を伝える「ヒロシマサロン」を続けている。きっかけはある被爆者との出会いだった。
もっと読む 広島・原爆の記憶伝える欧州在住の日本人俳優
おすすめの記事
広島・長崎被爆73年
このコンテンツが公開されたのは、
(スイス公共放送SRF、2018年8月6日配信)
もっと読む 広島・長崎被爆73年
おすすめの記事
原爆投下後の広島を救ったスイス人医師 マルセル・ジュノー博士
このコンテンツが公開されたのは、
1945年8月6日、広島市は原爆によって、一瞬で焼け野原と化した。その荒れ果てた地に初の外国人医師として医薬品を届け、被爆者の治療に当たったのがスイス人のマルセル・ジュノー博士(1904~61年)だった。
もっと読む 原爆投下後の広島を救ったスイス人医師 マルセル・ジュノー博士
おすすめの記事
日本がたどった民主主義の長い回り道 広島&福島で
このコンテンツが公開されたのは、
世界第3位の経済大国が今、試練を迎えている。歴史上最悪の二つの人災を経て、日本はいまだに政治エリートのコントロール下に置かれ、消極的な民主主義国家に甘んじている。
もっと読む 日本がたどった民主主義の長い回り道 広島&福島で
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。