世界保健機関(WHO)の年次総会外部リンクが24日からスイス・ジュネーブで開催される。WHOが将来のパンデミック(世界的大流行)へのより良い調整と協力に基づく対応を示す決定的な会合になるだろう。
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今年のWHO年次総会は、加盟194カ国のハイレベルの代表を集め、1週間余りにわたってオンラインで開催される。総会では、政策を策定し、任命を行い、WHO予算を見直す。
今回の総会はかつてないほど注意深く見守られることになるだろう。新型コロナワクチンへのアクセスをめぐる最近の衝突は、発展途上国と先進国の対立だけではなく、欧米諸国内の対立をも生んだ。
総会のわずか数週間前、米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ通商代表が、米国はコロナワクチンの知的財産(IP)保護規定の一時的放棄を支持すると表明し、衝撃を与えた。
この発表は、重要な製薬部門を持つスイスをはじめとする欧州諸国の不意を突いた。swissinfo.chが報じたように、スイスは特許保護を簡単に放棄するつもりはない。
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IPの一時的放棄にかかわる最終決定は、世界貿易機関(WTO)協議の一環として、加盟国が年内に下すとしても、医薬品や他の医療技術へのアクセスを改善することはWHO総会の主要な議題だ。
中国・武漢での流行への初動対応
WHOも中国も、新型コロナが19年末に武漢で初めて流行した時、ウイルスを封じ込められるほど迅速に対応しなかったとして批判されてきた。また、中国は今年これまでにWHO独立調査パネルの専門家チームの武漢入りを許可したが、新型コロナウイルスの起源をより良く理解する上でカギとなる情報を調査団に提供しなかったと疑われている。
実際、加盟諸国と地域の協力が無ければ、WHOは張り子の虎だ。公衆衛生上の緊急事態への対応を効果的に調整するためにWHOはどうすべきか、多くの事例でswissinfo.chは詳細に取材してきた。WHOの地域事務局が実施する業務の多くは正当に評価されていない。地域事務局は、ウイルスを検知できるよう研究所の能力を強化し、地域の医療制度を改善し、感染症の流行をタイムリーかつ正確に報告できるよう支援している。
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新型コロナへの国際的な対応がお粗末になった理由の1つは、05年の改正によって国際保健規則(IHR)に明記された世界的な連携の強化へのコミットメントを加盟国が守れなかったことだ。加盟国がこの1年間あまりに無力だった理由を詳細に検討することがWHO総会に参加する代表に期待されている。
元WHO事務局長補の福田敬二氏はインタビューの中で、「より根本的な問題は、加盟諸国が多国間の協力に基づくアプローチが望ましいと考えているか、現代においてそのようなアプローチは実現可能かということだ」と話した。
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加盟国が協力して優先順位を決める段階は、加盟国政府だけで決まるわけではない。世界的な政策や対応の策定に民間部門が一層重要な役割を果たすようになっている。ビル&メリンダ・ゲイツ財団はWHO予算の2番目に大きいドナーであり、拠出額はWHO予算の9%余りを占める。
民間の財団による慈善行為であることに疑いの余地はないが、世界の公衆衛生上の優先事項への影響力を個人に与えてしまうのではないかという懸念がある。米ジョージタウン大学のローレンス・ゴスティン教授(公衆衛生法)はswissinfo.chの記事で「(WHOは)責任を負わない民間のアクターに大きな借りを作っている」と指摘した。
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その一方で、英エセックス大学のリンゼイ・マクゴイ教授(社会学)は、「億万長者の社会貢献活動」が機能していることを示すために、ゲイツ氏は短期間で測定可能な成果を出すことに思想的な関心があると考えている。
では、WHOはどのようにして今日の立場に至ったのか。公共の利益を実現するために創設されたものの、私人に「借りのある」機関なのか。公衆衛生上の緊急事態への対応を調整するWHOの役割が、その加盟国自体によって弱められているのか。以下のビデオでは、73年の歴史を振り返り、WHOの功績やWHOが今日直面する多くの課題について考える。
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(英語からの翻訳・江藤真理)
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