運が良ければ見られるかも?スイスの珍しい鳥たち
今年創立100周年を迎えるスイス鳥類研究所が、swissinfo.chの読者のために「1度は見ておきたいスイスの鳥リスト」を作成した。珍しい鳥を探しに、森や湖に出かけてみてはいかがだろうか。
1924年4月初め、国内の愛鳥家らが集まり、スイス鳥類研究所の落成式が開かれた。スイス中部のセンパッハ湖畔にある観測塔付きの簡素な小屋が研究所の始まりだ。
研究所の創設に奔走したアルフレッド・シファリが初代所長に就任した。
当初の主な事業の1つは、野鳥の鳴き声の研究だった。また、鳥類学の学術書を揃えた資料図書館を作り、一般にも公開した。
一般市民からの寄付金も次第に増え、1955年ごろには湖岸に面する新築ビルに移転。これを機に非営利財団に移行した。スイス鳥類研究所には今や毎年4万人が訪れ、無料情報窓口には毎年数千件に及ぶメールや電話による問い合わせが入る。
広報担当者で生物学者のリビオ・レイ氏が、スイスに生息する400種以上の鳥の中からswissinfo.ch読者のために選んだ「必見の」鳥を以下に紹介する。
ヒゲワシ(Gypaetus barbatus)
「スイス最大の鳥、ヒゲワシは国内では20世紀初めに絶滅した。長年の再導入プロジェクトが実を結び、威風堂々と空を舞う姿が再びスイスの山々で見られるようになった」
近絶滅種(CR)に分類。推定27組のつがいが国内に生息する。
翼を広げると驚きのサイズに!この鳥の詳細はこちら外部リンク。
アカトビ(Milvus milvus)
「スイスで最もよく見かける鳥の1種。世界中のアカトビの1割が、この小さなスイスで繁殖する。野原や、時には都市部でも上空をゆっくりと輪を描くように飛ぶ姿が見られる」
結構長生き?この鳥の詳細はこちら外部リンク。
ムナジロカワガラス(Cinclus cinclus)
「ヨーロッパの鳴鳥(なきどり)で水に潜れるのはムナジロカワガラスだけ。水の澄んだ川や渓流を好むため、スイスには棲む場所がたくさんある」
どこに巣を作るの?この鳥の詳細はこちら外部リンク。
アカハシハジロ(Netta rufina)
「鮮やかなオレンジ色の頭と真っ赤なくちばしのオスは、目立つので見つけやすい。スイスへは主に越冬のために飛来し、港や岸辺でよく見られる」
スイスのどこで見られる?詳細はこちら外部リンク。
カベバシリ(Tichodroma muraria)
「カベバシリは、翼を広げると蝶のようだ。崖や渓谷の岩面に張り付いて移動するため、赤い羽根を広げて飛び立たない限り、見つけるのは難しい」
体重はどれくらい?この鳥の詳細はこちら外部リンク。
シトロンヒワ(Carduelis citrinella)
「めったにお目に掛かれないのが、シトロンヒワ。亜高山帯の森林に生息し、中部・南西部ヨーロッパの山岳地帯だけに見られる」
どんな鳴き声?この鳥の詳細はこちら外部リンク。
ユキスズメ(Montifringilla nivalis)
「ユキスズメはアルプス高山に生息するスズメの親戚。高山の厳しい環境に完璧に適応し、寒い冬の間でさえ、森林限界(高木が生育できなくなる限界高度)より高い場所で生活する」
卵は何個産むの?この鳥の詳細はこちら外部リンク。
スイスの生息する205種の在来種のうち、約4割が絶滅危惧種に指定されている。これは国際的な平均の2倍以上の数だ。
英語からの翻訳:シュミット一恵、校正:宇田薫
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。