スイスでは6月下旬から7月上旬にかけて続いた大雨で、大規模な洪水や土砂崩れが各地で発生した
Keystone / Peter Schneider
大雨による洪水や地滑りが発生したスイスでは、依然として約620カ所の登山・ハイキングコースが閉鎖されている。特に南部のヴァレー(ヴァリス)州で大きな被害が出ているという。
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スイスのハイキング情報に関するウェブサイトを運営するSchweizer Wanderwegeはドイツ語圏の日刊紙NZZに対し、閉鎖中のルートは合計で1300kmに及ぶと話した。
特に大きな被害を受けたのは、延べ8800kmの登山・ハイキングコースを誇る南部ヴァレー州だ。同州フランス語圏トレイル協会Valrandoのセバスティアン・ラパ会長はスイス公共放送(RTS)に、「特定の地域ではかなりの部分がアクセスが不能かひどい被害を受けている」と話した。
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「雪で通行できない道が依然として多いため、影響を受けた距離を測るのは難しい」とも語った。「当面私たちにできることは、あると思っていた道がないという想定外の状況に陥らないよう、ハイキング客に情報を与えることだ」
ラパ氏は、トレイルの維持管理を担当する地元の自治体に情報を共有してもらい、さまざまな携帯専用アプリやSchweizer Wanderwege、SuisseMobileなどのハイキング情報サイトを通じて利用者に広く知らせたいと話した。
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ラパ氏によると、軽微な撤去作業などは段階的に行われる。人手が「比較的限られているため」だ。また、一部のルートは完全に廃止される可能性もあるという。「特定のルートについて、再開させるかどうか、特別なインフラを建設する必要があるかどうかなど検討する必要があるかもしれない。近い将来、こういった問題がいくつか出てくる可能性がある」
気候変動
気候変動が登山・ハイキングコースに与える影響もある。「沈下しつつあるモレーン上の道や、落石を防いでいた永久凍土の融解が進み、以前よりも危険にさらされている道がある。洪水や土石流は新しい現象ではないが、近年はその重大さが増している。常に予測できるわけではない」
登山やハイキングのリスクを減らすには?「最初にすべきことは、公式の標識ルートに沿っていくことだ。そうすれば、ある程度のコントロールはキープできる。その次に、ハイキングは通常時とほぼ同じように計画はできるが、事前に少し情報を追加する必要がある。地元の観光案内所、小屋、ホテルなどに電話して、道がまだあるか、雪がないかを確認してほしい」
また、時には諦めなければならないこともある。「スキルや能力がないときは、引き返すことを恐れてはいけない」
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英語からの翻訳:大野瑠衣子
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