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22年5月15日の国民投票 臓器提供、ネトフリ法、シェンゲン外国境警備

5月15日に行われる国民投票では、3つの案件が問われる。欧州対外国境管理協力機関(Frontex)への負担金増額、臓器移植法、ネットフリックス法だ。

シェンゲン圏の境界を保護し安全を管理する欧州連合(EU)の機関、欧州対外国境管理協力機関(Frontex)への負担金増額に関する法改正案が、ロシアのウクライナ侵攻で特段の注目が集まる。スイスの有権者は、連邦政府が今後も同機関へ負担金を拠出するか否かを判断する。

2015年の難民危機を経て、EUはFrontexの体制拡大・強化を決めた。スイス連邦政府と議会もこの体制改革に参画することを決定した。スイスの負担金は年間2400万フラン(約32億円)から最大6100万フランに増える。スイスはEU非加盟だが、国境検査なしで国家間の移動ができるシェンゲン協定に加盟している。

この決定に対し、左派政党の支持を受けたNGOがレファレンダムを提起した。レファレンダム委員会は、シェンゲン域内で難民申請を希望する人たちが不当に身体的暴力を受けたり強制送還されたりしているとし、その人権侵害の責任の一端がFrontexにあると主張。組織の透明性も欠落していると批判する。

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臓器移植法改正

2つ目の法案は、臓器移植というデリケートな分野だ。臓器提供の同意制を変えるかどうかを有権者が決める。

死後の臓器提供はこれまで、生前の本人の意思表示が必要だった。だが今回の法改正で、臓器提供を拒否するという事前の明確な意思表示がない限り、ドナーとみなすことができるという解釈に変更する。狙いは臓器不足を改善し、より多くの命を救うことだ。

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これに対してレファレンダムを提起したのが超党派の委員会だ。委員会は、沈黙は同意ではないと主張。法改正が本人の同意なき臓器摘出につながると懸念する。

賛成派は、スイスの臓器提供率は他の欧州諸国よりも低く、改善は待ったなしだと主張する。遺族が故人の意思を尊重し、提供の可否を決められるのも改正案の利点だという。

ネットフリックス法

3つ目は、国内の映画文化・映画制作法改正案の是非だ。スイスに参入する国際的な動画配信プラットフォームに対し、スイス国内で発生する収益の4%をスイスの映画やシリーズ制作に出資するように義務付けるというもの。可決されれば国内映画産業の年間予算は1800万フラン増えると政府は見込む。

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超党派の青年部が改正法案に反対し、レファレンダムを提起。国内の映像制作は既に十分な補助金を受けており、民間企業の追加支援は必要ないと主張する。

(独語からの翻訳・宇田薫)

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