そこのけそこのけ、自転車集団が通る!
世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスが今月2日、フランスでスタートした。18~20日の第16・17ステージはスイスを走行する。連邦制をとるスイスでは、ツール・ド・フランスが今夏の一大イベントになるか否かは自治体の一存にかかっていた。
18日に行われる第16ステージ外部リンクのゴールはベルンだ。選手たちはベルンで1日休憩をとった後、第17ステージの20日には標高2千メートルに位置するゴール、フィノー・エモッソンを目指す。
第16・17ステージ外部リンクのコースはヴォー州、ヌーシャテル州、フリブール州、ベルン州、ヴァレー(ヴァリス)州を通る。「連邦制と民主制にとってある種の試練だ」と話すのは、間もなく12年の任期を終えるベルン市長、アレクサンダー・チェペット外部リンク氏だ。ツール・ド・フランスのステージゴールにベルンが設定されるのは今回が初めて。同氏の長年の目標がようやく達成されたという。
ツール・ド・フランス外部リンクが通る5州には、互いに協力して走行ルートの安全を確保することが求められるが、「各州警察と道路交通局はうまく連携できている」とチェペット氏。そのために必要な費用はベルン州だけで170万フラン(約1億8千万円)だが、州が全額負担する。
ツール・ド・フランスの選手たちがスイスを通過できるか否かは、各自治体の一存にかかっている。連邦制を敷くスイスでは、一つの自治体が通過を拒否すれば、組織委員会にコースの変更を強いることが可能だからだ。ベルン州だけでも40の自治体が通過コースとなる。
しかし、「初めは自治体間でツール・ド・フランスに対する温度差があったものの、最終的には全自治体が協力してくれた」とチェペット氏は嬉しそうに話した。
(独語からの翻訳&編集・説田英香)
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