若者の政治意識に関する世論調査で、スイスの若者は政治についての情報源としてネットメディアにあまり頼らないことが明らかになった。
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世論調査機関gfs.bernがスイスに住む15~25歳の1477人を対象に行った世論調査で、若者の政治についての情報源は「自分の親」が最も多いことがわかった。一般のイメージとは反対に、スマホ用のアプリ、ソーシャル・ネットワークなどのネットメディアは政治問題の情報源としてあまり使われないという結果になった。
若者が最も関心を持つテーマは外国人政策や難民政策で、中高年齢層と比べて大きな違いはなかった。これについてgfs.bernは、2016年に行われたスイス人の不安を測る調査「不安バロメータ」では難民問題が全体でトップに挙がったと言及した。
若者の国民投票や選挙への参加度合いは国民全体に比べて低く、15年の連邦議会総選挙ではスイス全体の投票率が48.5%だったのに対し、18~24歳の投票率は30%だった。
若者が投票しないのは、政治的無関心からではない。政治家が話している内容や用語が複雑で理解するのが難しいことがその理由として最も多く挙げられた。
(独語からの翻訳・説田英香)
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