スイスインフォがスイスと隣国フランスのスーパーマーケットで食料品14品を対象に実施した簡易調査で、同類の商品を両国で購入した場合、スイスの総額がフランスに比べ91%も高かったことがわかった。(swissinfo.ch)
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映像にまとめた簡易調査は6月末、スイス・ローザンヌのスーパーマーケットCOOPと、フランス・フェルネーヴォルテールのスーパーマーケットCarrefourで実施したもの。
また、欧州連合(EU)統計局による最新の統計も同様の傾向を示している。スイスは欧州諸国の中で2年連続、食料品・飲料(アルコール飲料を除く)がEU諸国の平均値より+73%で最も高かった。他にも、宿泊・飲食サービス業(+67%)や衣料品(+43%)において欧州諸国の平均値との間に大きな差が見られた。
収入の高いスイス人が、隣国で低価格の商品を買い求める動きは以前からあったが、2015年1月の対ユーロでのフラン高騰をきっかけに、その傾向は一層高まった(当時1ユーロ=1.20フラン、現在は1.10フラン)。
専門家によると、そのような購買行動がピークに達した15年に、スイス人が隣国で商品を購入した総額は110億フラン(約1兆2千万円)相当と見積もられており、今後もその額は横ばいとなる見込みだ(2016年、100億フラン)。スイス銀行大手クレディスイスの報告外部リンクによると、スイス通貨の10分の1は国外で消費されている。
スイスインフォのフェイスブック上にコメントしたミグエル・フェレイラさんは、2週間に1度、隣国で商品を購入している。「スイスで買い物かご一つ分の商品に支払う額で、車のトランクいっぱいに買い物できる状況が続く限り、隣国で買い続ける」
(英語からの翻訳・説田英香)
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スイスの労働組合ウニア(Unia)による最新の「賃金格差調査」によると、ロシュ社での賃金格差は、社内での賃金格差が最も大きいスイス企業の中でも断トツだ。労働組合ウニアは複数の株式市場に上場しているスイス企業40社を対象に、各社における最低賃金と最高賃金の格差を調査。40社のうちスイス証券取引所(SMI)に上場している企業は15社。
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