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ベーシックインカム案、国民投票に向けリベンジ

basic income campaigners
2016年6月、バーゼルで行われた前回のベーシックインカムキャンペーン中に撮影された写真 © Keystone / Alexandra Wey

5年前にスイスの国民投票で否決されたベーシックインカム案が、リベンジを懸けて再出発した。前回提案より財源を明確にし、支持拡大を狙う。

新しいイニシアチブ(国民発議)「尊厳を持って生きる―資金調達しやすい無条件のベーシックインカムのために」の発起委員会は21日の署名開始に際し、目標は「全ての人の生計の維持、尊厳を持ち自己決定しながら生きる権利の保障、無償労働の評価」だと説明した。18カ月以内に有権者の署名10万筆を集めればイニシアチブが成立し、国民投票にかけられる。

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提案では全スイス国民に月々2500フラン(約30万円)程度の基本収入を保証する。給付と財源を規律するため、連邦憲法第110条の改正と新法制定が必要になる。

発起委員会は、新型コロナウイルスの流行で国民が大きな経済損失を被ったことが再挑戦への大きな原動力になったと語った。

発起委員会のオズワルド・シグ氏は「コロナウイルスと気候変動の危機においては、人々や自然に対して責任ある対処が不可欠だ。人々のための経済が必要なのであって、人々が経済のために存在するのではない」と訴えた。

巨大ITも拠出

スイスの有権者は2016年の国民投票で、無条件のベーシックインカム導入案を反対76.9%で否決した。議論のすそ野は広がったが、説得力のある財源案を提示できなかったことが要因だとされている。

そこで今回は、財源調達の仕組みをより明確にした。財源には基本的に既存の税収や社会保障制度を充てる。金融セクターやハイテク企業、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなど多国籍大企業も拠出すべきだと主張する。

前回のイニシアチブでは、ベーシックインカムの月額は明示されなかったが、発起委員会は目安として成人2500フラン、未成年者は625フランを目安としていた。これには年間2080億フランの財源が必要と見積もられる。

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