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WHO、 SARSウイルスを公式に断定

WHOの感染症対策部長のヘイマン博士がジュネーブ国連欧州本部での記者会見で。 Keystone

世界保健機関(WHO)は16日、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)の原因は風邪などを起こす「コロナウイルス」の新種が唯一直接の原因であることを特定し、これによりSARS診断検査テストが近日中にも確立するだろうと発表。

WHOの本部のあるジュネーブで世界各国からの専門家が集まり、検査法だけでなく、同肺炎の原因や感染方法、治療法やワクチンの開発などに向けて、世界13カ国の研究所の専門家とともに全力を尽くしていると発表。

SARSウイルス
 
 WHOの感染症対策部長のヘイマン博士は会見で「SARSウイルスはコロナウイルス科の他のウイルスと同じように変異する性質を持つ」という。しかし、普通の風邪のウイルスと比較すると特異な性質を持っており、変異も早い。今後このウイルスの変異がワクチン開発や治療などにどのように影響するかは分からないという。

起源について
 
 日本から出席した国立感染症研究所ウイルス第三部部長の田代眞人博士はこのウイルスについて「長期間、自然界にすでに存在してきたが、我々の知らなかったウイルスの一つ」と説明し、まだ特定されていない宿主の動物から人間に感染したものだと指摘。さらに、中国南部の食生活に関連があるかもしれないと示唆した。現在、WHOはこの動物特定のテストを行っている。

中国について

 SARS対応について多くの批判を受けてきた中国だが、現地にいるWHO調査団によると報告漏れがあった、軍の病院には約50人の感染者がおり、北京でもおそらく100人から200人の感染者(中国衛生省の発表では37人)がいるだろうとの見方をしている。ヘイマン博士は「中国当局は正確な報告を入手する必要がある」と指摘した。WHOは中国での国内旅行からの感染を防ぐために航空機感染の専門家を派遣予定という。

今後の問題

 今後、SARS感染が途上国などに広まった場合SARS診断検査テストなどの開発や購入にどう対応するかという問題もある。4月16日時点でのWHO報告では世界の感染者数は3293人、うち159人死亡。SARSの発祥地である中国の感染者は1432人、64人死亡で香港では1268人感染、61人死亡、日本で感染可能性があるのは1人。



スイス国際放送、A.Y.

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