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コロンビアの人質解放

6年来ベタンクール氏の解放を支援しているドゥロワ氏は「希望は捨てていない」と語った Keystone

コロンビア武装革命軍 ( FARC ) に2002年に誘拐され、今なおジャングルの中に拘束されているコロンビアの上院議員、イングリッド・ブタンクール氏とコロンビアの人質全員の解放を支援する「人質解放支援スイス・インターナショナル・ジャーナリスト委員会」が1月8日、ジュネーブで立ち上げられた。

ブタンクール氏の前の夫、ファブリス・ドゥロワ氏は記者会見で希望は失っていないが、ブタンクール氏の解放は急を要すると訴えた。

 ドゥロワ氏によれば、コロンビアでは誘拐は日常茶飯事のいわばビジネスになっており、世界の80%の誘拐事件がこの国で起こるという。年間およそ2500人が主に身代金目当てに誘拐され、そのうち子供の人質は現在でも400人いるといわれる。誘拐を警察に連絡すれば家族の命もあぶないという状況の中で、政治目的で誘拐されたベタンクール氏の解放を支持することは、コロンビア全体の人質問題を明らかにすることにも繋がるという。

800平方キロメートルの武装解放地域で人質交換

 スイス政府はこれまでフランス、スペインと共に、ブタンクール氏の解放支援に積極的にかかわってきた。ドゥロワ氏は今後もこれら3国が協力してコロンビアのアルバロ・ウリベ大統領を説得し、800平方キロメートルの武装解放地域で、FARC 側の人質46人と囚人となっているFARCメンバー500人の交換が実現されるよう訴えた。

 ウリベ大統領を人道援助という概念が欠けている人物と批判するドゥロワ氏は、上記のような人質交換が実現するためにも、世界的な連帯が必要と強調し、「人質解放支援スイス・インターナショナル・ジャーナリスト委員会」の立ち上げを高く評価した。

 また同日ジュネーブ州議会の20人の議員もジュネーブ州とスイス政府に対してコロンビアの人質全員の解放を訴えるイニシアチブを立ち上げ、スイス、フランス、そしてアメリカが人質解放を積極的に支援するよう希望した。

 一方、現在1万7000人といわれるFARCのメンバーが軍需品の補給をたよっている唯一の国ベネズエラのウゴ・チャべス大統領が、FARC側に譲歩するよう働きかけ、ベネズエラ側に人質を解放するのも、もう1つの可能性だとドゥロワ氏は見ている。

swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

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