サハラ旅行者の人質事件 クロノロジー
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半年間もの長い間続いたサハラ砂漠の人質事件は軍隊の武力行使と交渉の末、8月18日に最後の15人が解放されて解決した。
ドイツ人16人、オーストリア人10人、スイス人4人、オランダ人とスウェーデン人1人の32人が人質となった。武力行使で5月13日には17人が解放されたが、砂漠の暑さによりドイツ人女性は死亡。現地に埋葬されたという。
2月22日から23日
アルジェリアの南部、イリジ付近からサハラ砂漠ドライブ旅行を計画していた3グループ(ドイツ人6人、スイス人4人、オランダ人1人の合計11人)から最後の連絡があった。
3月10日
3グループのうち1グループが失踪と発表される。在アルジェドイツ大使館が関係者に連絡を取り始める。
3月17日
残り2グループも失踪と発表される。新に6人のグループから最後の連絡が入る。
3月30日
新に6人のグループが失踪。
4月2日
新に5人のグループが失踪。
4月4日
第6番目のグループ(オーストリア人8人)が失踪。
4月6日
ドイツ連邦犯罪局および特殊部隊GSG-9が現地に派遣される。
4月8日
オットー・シリー・ドイツ内務大臣がアルジェリアへ。
4月11日
新にオーストリアの登山家2人がアルジェリア領サハラ砂漠で失踪
4月13日
オーストリア外務省「失踪した旅行者は4月8日までは確実に生存していた証拠がある」と発表。失踪者の滞在場所は不明
4月28日
砂漠のイリジ付近で、失踪者の洋服の一部が発見される。
5月4日
アルジェリア政府、失踪した旅行者の生存を初めて認める。
5月6日
アルジェリア内務省、誘拐犯人との交渉を否定。ドイツの特殊部隊GSG-9が人質の開放工作に関与することを拒否。
5月7日
捜索活動に5000人の兵士が投入される。
5月10日
身代金の金額が報道されるが、スイスおよびドイツの外務省はコメントを控える。
5月12日
ヨシカ・フィシャー・ドイツ外相がアルジェへ。
5月13日
軍の武力行使により、人質32人のうち17人が解放される。この際、誘拐犯数人が死亡。誘拐犯はイスラム原理主義グループ(GSPC)のメンバーと判明。15人の人質は別の場所に匿われ続ける。
5月15日
アルジェリアのメディアが、イリジから150kmの山岳タメルリクにテログループ「GSPC」によって匿われていると報道。身代金の交渉についての複数の報道。
5月19日
軍隊による人質15人人質の解放の未確認情報が流れる。数時間後、公式に否定される。
6月11日
人質が乗っていたトヨタのジープを捜査中、アルジェリアの兵士2人が死亡したことが判明。
7月8日
アルジェリアのメディアによると、ドイツ、スイス、オランダ政府は身代金として2000万ユーロを支払う意向がある。真偽は未確認のまま。
7月17日
アルジェリア軍は誘拐犯に自由通行権を与えると、ビラを撒いて伝えたとの報道があった。
7月18日
人質は誘拐犯と一緒にマリ共和国の山岳地帯に滞在との報道あり。
7月18日
人質は誘拐犯と共に、マリ北部の山岳地帯に滞在との報道。
7月22日
ユルゲン・クロボク・ドイツ外務次官マリの首都バマコでマリ政府代表と会談。
7月27日
スイス政府によると、ドイツ、スイス、オランダ政府代表10人がマリで会談。人質15人はまだアルジェリアに滞在しているのではないかとの疑惑も浮かび上がる。マリ人の遊牧民トゥアレック族の元首長が誘拐事件の解決のキーパーソンとの思惑浮上。誘拐犯との電話を通しての直接交渉などと平行し、捜査活動が引き続き行われる。
7月29日
人質のドイツ人女性ミヒャエラ・シュピッツアーさんが数週間前に死亡し、埋葬されたことが判明。裁くの暑さによるものと思われる。
7月31日
人質が生存している証拠となるビデオが関係者に公開される。
8月1日
誘拐犯の身代金の金額が再び話題に。
8月11日
遊牧民トゥアレック族の元首長のマリ人イヤド・アグ・アガリ氏が交渉人として誘拐犯との接触をしていることが判明。
8月14日
ユルゲン・クロボク・ドイツ外務次官、バマコで「近日中に人質は解放される」と発言する。
8月15日
誘拐犯は人質を解放する代わりに身代金と自分たちの身の安全の保障を要求したとの報道。
8月17日
人質解放の期待高まる。報道機関による人質解放ニュースについてスイスおよびドイツ外務省はノーコメント。
スイス国際放送
8月18日
残りの人質14人が解放され、マリ政府の保護下に
スイス国際放送
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