ネスレの食事指導でダイエットはいかが?
食品メーカー世界最大手のネスレ(本社・西スイス、ヴヴェイ)が、消費者一人一人に合わせた食事指導をベースとする栄養プログラムを開発した。
個人の体質や生活習慣に合わせた食事指導を通じ、肥満や糖尿病などを予防、遅らせることができると期待される。
最近スイスでは、ファーストフードなど脂質の多い食生活へ変化したことに伴い、肥満人口が急激に増え、消費者の健康志向は高まりつつある。ネスレはカスタムメイドの食事指導を消費者に提供することで、自社食品の販売に生かしたい考えだ。
相乗効果期待
「健康志向の高まりと共に、肥満は大きな問題となっている。ネスレがその問題の一端を担っているのであれば、その解決策を示すことも可能なはず」と話すのは同社の幹部、ブルース・ジャーマン氏(科学担当)。
肥満が怖いのは、内臓脂肪型の肥満が原因で心臓病や高血圧症、糖尿病など様々な生活習慣病を招くことだ。
ネスレの科学者は、食ベ物が体内の酵素で処理されエネルギーに変わる代謝過程に個人差があることに注目。コンピューターで代謝過程をデータベース化し、個人向けに食事プランを作る仕組みを開発した。プログラムの料金については明らかにされていない。
ジャーマン氏は「どんなビジネスに展開できるのか、まだわからない。いずれにしても、自社製品に相乗効果をもたらすような方向に持っていきたい」と力を込める。
ネスレが健康関連の市場に参入するのは今回が初めてではない。健康ブームに乗って、これまでに機能性食品も投入している。機能性食品は、ビタミンなどの栄養成分を人工的に抽出・強化し、錠剤やカプセルにした栄養補助食品の総称。
ジャーマン氏は「機能性食品は必要な栄養を摂るのに最良の方法と言えるが、消費者の知識に負うところが多いし、個人の体質や生活習慣が考慮されていない」と問題点を指摘している。
swissinfo スコット・カッパー 安達聡子(あだちさとこ)意訳
肥満:
摂取したエネルギーのうち、消費されないエネルギーが脂肪として体内に蓄積されること。
肥満が怖いのは、糖尿病や心臓病、高血圧症など生活習慣病の発症率が高いため。
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