フェデラーとヒンギス、ロンドン五輪で夢のペアならず
2012年開催予定のロンドン五輪でロジャー・フェデラー(30)とマルチナ・ヒンギス(31)の最強ペア誕生が噂(うわさ)されていたが、結局2人はペアを組まないことになった。
「マルチナとロジャーはお互いに話し合い、混合ダブルスには出場しないと決めた」。フェデラーのコーチであり、デビスカップでスイスチームのキャプテンを務めたセヴェリン・リューティ氏は今週初め、記者団の前で話した。
噂は今年の夏ごろからあった。2012年のロンドン五輪で初めて導入されるテニスの混合ダブルス出場に向け、フェデラーがヒンギスにペアの打診をしているというものだった。スイステニス界最強のペア誕生に胸を躍らせたテニスファンも少なくなかったが、結局それは幻に消えた。
ヒンギスは最年少で全豪オープン優勝や世界ランク1位に登りつめるなど、輝かしい功績を残している。だが2007年にコカイン陽性反応が検出されて以来、大会には参加していない。
一方、フェデラーは2003年から2010年まで世界ランクは常に2位以上。2011年はこれまでの成績に比べあまり芳しくなかったが、世界ランク上位8人だけが出場できるATPワールドツアー・ファイナルで優勝を飾り、本来の実力を見せつけた。
今回2人がペアを組まない理由はさまざまだが、一番の理由はフェデラーのスケジュール調整にあるようだ。ロンドン五輪でテニスの競技期間は2012年7月28日から8月5日の9日間。全種目に出場し決勝まで進出した場合、フェデラーはこの短期間で合計15試合もこなさなければならない。男子シングルで6回、男子ダブルスで5回、それに新種目の混合ダブルスで4回だ。もし混合ダブルスにも出場すれば、1日に2回も戦うこととなる。
そのため今回は混合ダブルス出場を見送り、男子シングルと男子ダブルスに集中する。フェデラーは2008年の北京五輪でスタニスラス・ワウリンカと組んだ男子ダブルスで優勝しており、ロンドン五輪では連続優勝を狙う。また、これまで五輪の男子シングルでは優勝したことがなく、悲願の金メダル獲得に向かって励む。
1981年8月8日生まれ
ATPランキング3位(2011年12月現在)
2011年優勝回数 4回
2011年戦績 64勝:12敗
これまでの優勝回数 シングル70回、ダブルス8回
グランドスラム 16回
スイスインドアーズ優勝 2006年、2007年、2008年、2010年、2011年
2003年から2010年まで世界ランクは常に2位以上だったが、2011年10月には4位に下がるなど、今年は苦戦を強いられてきた。
だが、世界ランク上位8人だけが出場できるATPワールドツアー・ファイナルの優勝でシーズンを締めくくり、世界ランクは再び3位に上昇した。
(出典:ロジャー・フェデラー公式サイト)
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