ボロディン前露大統領府総務局長に資金洗浄で有罪判決
ジュネーブ州裁判所は5日、資金洗浄容疑で起訴していたパヴェル・ボロディン前露大統領府総務局長(現ロシア=ベラルーシ連邦事務局長)に対し有罪の判決を下し、罰金30万スイスフランの支払いを命じた。
ボロディン前総務局長は、1994年から95年にかけてクレムリンの改築工事入札(工事費4億8600万スイスフラン)の見返りにスイス・ティチーノ州の建設会社マベテックス、メルカタの2社から約3800万スイスフランのキックバックを受け、その金をスイスでマネーロンダリングしたとしてスイス当局に国際手配されていたところ、昨年1月ブッシュ大統領就任式出席のため渡米した際ニューヨークの空港で身柄を拘束された。その後、4月7日に米国からスイスに送還され資金洗浄と犯罪組織への加担でジュネーブ州裁判所に起訴された。が、ジュネーブ州裁判所は4月12日犯罪組織加担の件は取り下げ保釈金500万スイスフランで保釈を認め、ボロディン氏は翌日ロシアに帰国、翌5月以降ジュネーブ州裁判所の証人喚問に応じて出廷していた。
ボロディン前局長弁護団のヴィンセント・ソラリ弁護士は、「ボロディン前局長は評決に満足している。罰金だけという判決は検察側の証拠が弱かったことを示している。14日以内に上告するかどうかはまだ決めていない。」とswissinfoに語った。ソラリ弁護士によると、裁判所はボロディン前局長が裁判開始前に保釈金として支払った500万スイスフランを返さなければならない。この保釈金は、ロシア政府は絶対に認めないがロシア政府から出されたもので、ボロディン前局長は政府に全額返金する必要があるという。
一方、パコリ・マベテックス社長とストルポビッチ・メルカタ社長に対する捜査は取り止めたとなった。両名の弁護団は、二人とも個人的にも財政的にも苦しめられたとしている。マベテックスとメルカタの弁護団は、贈賄が事実だったとしても当時のスイス法では外国の高官への贈賄は犯罪行為ではなかったとして無罪を主張してきた。これに対し検察当局は、2社がロシア人高官のスイス国内でのマネーロンダリングに利用されたことに焦点を絞っていた。マネーロンダリングに関わった個人および企業は、如何なるケースでも有罪となる。
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