壮大な農場、立派な牛、誇らしげなチーズ職人、コケモモを摘む女性たち、乾杯する鉱夫たち。20世紀初頭のベルン州ゴンディスヴィールでの日常風景だ。懐かしさに溢れた当時の生活を、スイスの写真家ヨハン・シェアさんの作品が伝える。
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1965年スイス生まれ。チューリヒで写真を学んだ後、1989年からフォトジャーナリストとして活動。1990年、スイス人カメラマンの代理店Lookat Photosを設立。世界報道写真財団(オランダ)の世界報道写真コンテストを2度受賞したほか、スイスの奨学金を多数獲得。その作品は多くの展覧会やコレクションで紹介されている。
「デンギ・ハネス」の名で呼ばれていた農場経営者のヨハン・シェアさん(1855~1938年)は、1900年頃に独学で写真を始め、その後40年にわたり、炭鉱とチーズで栄えたオーバーアールガウ地方の農家の暮らしを記録し続けた。
作品の中に写る住民たちからは、永遠に残るその瞬間に対する真摯(しんし)さが伝わってくる。
そんなシェアさんの作品は現在、ランゲンタール芸術センターで初めて公開されている。同展覧会では作品の他にもガラスネガ、写真アルバム、絵葉書など、シェアさんの思い出の品も展示されている。
展覧会「Chäs u Chole(チーズと石炭)外部リンク」は、今月9日まで開催。
(独語からの翻訳・説田英香)
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